第4回国家森林インベントリに向けて
ラオス農林省森林局は、2024年~2025年の乾季に第4回国家森林インベントリ(National Forest Inventory:NFI)の実施を計画しています。第2回および第3回NFIは、それぞれ2016年と2019年にF-REDD 2の前身プロジェクトであるF-REDDの技術支援を受け、森林局の森林インベントリ・計画課(Forest Inventory and Planning Division:FIPD)によって実施されました。
NFIとは、森林状況や森林炭素蓄積量を含む森林資源を把握するためのサンプルプロット調査です。例えば、第2回および第3回NFIでは、主なアウトプットの1つとして、ラオスの森林の排出係数(森林が消失した際に排出される二酸化炭素量)を開発するのに必要な炭素蓄積量を、異なる森林タイプごとに調査し、推計しました。
第4回NFIに向けては、統計的な精度を高めるためにサンプリング及びプロットの設計といった手法を見直しているところです。さらに、同じプロットで継続的に調査を行うことで森林の状態や樹木の成長量も評価できるように、固定プロットを設置することも検討しています。
FIPDは、これらの改良案を現場でテストするため、米国SilvaCarbonプログラムとF-REDD 2の協力のもと、2024年3月下旬から4月上旬にかけてパイロット調査を実施しました。参加者は3つの調査チームと、調査結果の精度を検証するチームに分かれ、3つの地域(シェンクワン県Pek郡、ボリカムサイ県Bolikhan郡、サバナケット県Phine郡)においてそれぞれ6プロットを調査しました。米国森林局からも2名の専門家が調査に参加し、ボリカムサイ県での最初の2日間では、チーム全体に固定プロットの設置や調査方法について様々な指導を行い、その後シェンクワン県では精度検証チームのサポートを行いました。
パイロット調査を受けて、現在、サンプリング及びプロットの設計の最終化を進めています。それをもって、ラオス森林局と第4回NFIの実施方法を議論して行くことになります。
FIPD職員が水平距離を測定している様子
米国森林局の専門家が胸高直径の計測についてガイダンスを行っている様子