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第2回合同調整委員会(Joint Coordination Committee (JCC))のステージ裏

前回のプロジェクトニュースVol.1にてお伝えした継続教育(CPD)制度の全国周知会議開催から丁度4ヶ月経った6月26日、プロジェクト進捗と今後の展開を改めて議論する第2回合同調整委員会(JCC)を実施しました。

JCCとは、日本側プロジェクト実施機関、相手国実施機関、監督省庁、JICA現地事務所等で構成される、プロジェクトの意思決定機関です。関係者が集まり、これまでの経過報告や今後の予定などを報告し、その議論内容に対して承認を得る重要な会議となります。

通常のプロジェクトニュースでは、実施された事実と成果、今後の見通しを記述するのが定型です。今回は視点を変えて、そんな重要な会議までのストーリーと当日のステージ裏をご紹介します。

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会議当日までに資料整理を進めるアドミン担当プーぺさん

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アドミン担当と協力するプログラム担当ボーさん

まずは、簡単に活動の流れの一部を追ってみましょう。日頃の活動の合間に、今回のような大規模な会議が入ってくると、約1ヶ月前から発表資料や会議場の予約、出席者の選定を徐々に始めて行きます。会議1週間前を目処に先方省庁(我々の場合は保健省)の代表者が発表資料の作成を終え…ているはずなのですが、毎回スムーズに行くとも限りません。その場合は、優しい言葉で催促し資料完成スピードを上げるように省庁関係者に促すことも重要になってきます。書類データが出来上がるとプロジェクトスタッフがPCや手作業で最終調整をして整理していきます。時には、資料の印刷、ホッチキス留め、クリアケースへの仕分け等で丸一日を要する場合もあり、スタッフ同士の協力が欠かせません。これらの作業の多くはラオス人スタッフに担当いただいています。そして会議前日には会場に赴きテーブルアレンジや音響の最終確認を行い会議当日を迎える流れです。

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会議前日に会場設定を確認

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JCC開演前にアドバイザー補佐のフォードさん(左)と共に配布物の最終確認をする日本人の益チーフアドバイザー(右)

そして遂に迎えた会議当日、開場1時間前には会場にてスタンバイ、受付で配布物を確認しながら来場者を迎える準備に入ります。受付が早めに終わった来場者は各々のペースで開演を待っている方達が多いように見受けられます。そして開演前のゆったりした時間の流れの中で重要になってくるのが、カウンターパートと呼ばれる配属先プロジェクト関係者との信頼関係作りです。一緒にコーヒーを啜ったり、秒単位で毎日動かれている合間で会議場に足を運んで下さっている副局長さんへの労いであるとか、自宅で耕している畑について世間話をしてみたりと、人間味溢れる風景が広がっています。

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JCC会場の受付で保健省人材局センマニ副局長(左)と談笑するアドミン担当プーぺさん

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開演前にリラックスムードのセンマニ副局長と天野専門家

会議が始まると通常は淀みなく進行係が議事次第に合わせて進め、プロジェクト進捗発表が一段落したしたところで質疑応答に突入。この質疑応答が見応えのあるセクションになることも多々あります。

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自己紹介をしながら情報交換する益チーフ(左端)

会議が順調に進んでいく一方、疲労が蓄積していくスタッフも出てきます。それは約3時間の会議中に飛び交っているラオス語を英語に訳しながら議事録を書き続けているプログラム担当のラオス人スタッフや外部にお願いしている同時通訳者です。ラオス保健省は省庁関係者の中でも英語を話される職員が限られており、ラオス語-英語の同時通訳者を外注する頻度が非常に高い傾向にあります。さらに日本・欧米や国連の基準だと、同時通訳を行う場合は複数名を用意し、15分毎に交代制で持ち回るのですが、ここラオスの主流は一人体制。3時間の通訳も終盤に差し掛かると疲労困憊です。そういう事情もあり、JCCに限らず同時通訳者を外注する場合は、会議終了後一番先に駆け寄って感謝の言葉をいつもかけています。

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開演30分前に会場入りし、ロビーでお気に入りのコーヒーを嗜まれる参加者

他にも驚きの光景が広がっています。ラオスのホテル内に設けられた会議場には28インチ程度のLEDを幾つも連結して組み立てられた12m x 4mの大規模LEDスクリーンが常設されていることが非常に多いです。その巨大スクリーンに発表資料を投影するのですが、Zoomを使ってオンライン参加者へ英語通訳の声を流したり会場発表者へのカメラ誘導切り替え、音響調節等を現地ITスタッフが会議中一人でYouTube動画編集者のようにマルチ画面を駆使して管理しています。スクリーンの裏側に回り、幾重にも連結されたモニターやケーブルの束を目の当たりにするとIT管理のレベルの高さに驚かされます。

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プロジェクト進捗を発表するセンマニ副局長

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約3時間ラオス語の発言を英語に訳しながら議事録をつけるボーさん(左から二人目)

このように3時間の会議の前後と当日のステージ裏では会議の成功の鍵を握る人々が通常新聞写真の一面やFacebook投稿写真として映らない場所でもサポートしています。

以上、プロジェクトニュースVo.2では会議の準備やステージ裏の一部をご紹介しました。今後もラオス人スタッフ3名、日本人専門家3名の計6人体制のプロジェクトですが、活動を裏で支える人々や裏舞台を混ぜながら技術協力プロジェクトの進捗をお伝えしていく予定です。

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一人で同時通訳をブースの中で3時間こなすお抱え通訳者のケオさん(左端)

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会議中のZoomや音響の調節に注意払うITスタッフ

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中盤の小休憩時に集合写真撮影を好むラオス

文責:田中博崇(業務調整)

注:プロジェクトニュースVol.1 「ラオス保健省、看護師。助産師向け継続教育(CPD)制度の全国周知会議を開催」
https://www.jica.go.jp/oda/project/202207987/news/1565984_64958.html