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新たな2県で広がる「学び続ける仕組み」-サイニャブリ県・ルアンナムタ県で見えた1年間の変化-

ラオスでは、看護師・助産師が免許取得後も継続的に知識や技術を学び、その学びを免許更新につなげるため、継続教育(CPD)制度の運用が始まっています。病院や教育機関などで実施される研修は、一定の基準を満たすことで継続教育として認定され、参加者は単位を取得することができます。CPDプロジェクトでは、こうした制度が全国で継続的に運用されるよう、病院が自ら研修を企画・実施・運営できる体制づくりを支援しています。

2025年、新たに支援対象となったサイニャブリ県病院とルアンナムタ県病院では、制度の説明や今後の取り組みについて意見交換を行うところからスタートしました。その後、両県の臨床指導者は、それぞれの指導病院(サイニャブリ県は首都のミタパープ病院、ルアンナムタ県は同じく首都のセタティラート病院)で臨床指導者研修を受講し、研修の企画・運営方法や臨床指導について学びました。

それから約1年。今回の訪問では、中央病院で学んだことをそれぞれの県病院で実践し、自ら継続教育を運営するための取り組みが少しずつ形になり始めている様子を見ることができました。

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2025年10月、ミタパープ病院で実施した臨床指導者研修の様子。

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2025年10月、セタティラート病院で実施した臨床指導者研修の様子。

学びを、それぞれの病院へ

今回の訪問では、中央病院で学んだ臨床指導者が中心となり、それぞれの県病院で初めて臨床指導者研修を企画・運営する姿が見られました。

継続教育として研修を実施するためには、病院がCPD施設として承認を受けたうえで、研修の申請・実施・報告まで、一連の手続きを進める必要があります。今回、サイニャブリ県病院とルアンナムタ県病院では、病院スタッフが主体となってこれら一連のプロセスに取り組み、自ら制度を運用する第一歩を踏み出しました。

サイニャブリ県病院:「教える」側への第一歩

サイニャブリ県病院では、これまで中央病院や開発パートナーが実施する研修へ参加する機会はありましたが、自ら研修を企画・運営するのは今回が初めてでした。

研修の準備では、司会進行をはじめ、教材や修了証の準備、講師の役割分担などを病院スタッフが協力しながら進めました。初めての研修運営だからこそ、中央病院や県保健局から助言を受けながら、一つ一つ確認を重ね、研修をつくり上げていきました。

昨年、中央病院で臨床指導者研修を受講した臨床指導者は、今回はトレーナーとなり、新たな臨床指導者の育成を担いました。研修では、看護技術そのものを学ぶだけではなく、その技術を新人看護師や経験の浅い看護師へどのように教えるかを重視しています。受講者は実際に指導を行いながら、分かりやすい説明の仕方や実技指導の進め方について意見を交わし、実践を通して「教える技術」を身につけていました。

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初めての研修運営に向け、病院スタッフが最終確認を行いました。

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グループワークで作成した指導計画を発表する受講者。

ルアンナムタ県病院:実践を通して見えてきた「教えるための準備」

 ルアンナムタ県病院でも、昨年中央病院で臨床指導者研修を受講した臨床指導者が中心となり、新たな臨床指導者を育成する研修を実施しました。

研修の準備では、日程や講師の担当、教材などを整えていきました。しかし、実際に研修を企画・運営してみると、「受講者に何を学んでほしいのか」「どのように教えれば理解しやすいのか」といった、研修内容や指導方法を事前に十分検討することの重要性が改めて見えてきました。

研修中は、中央病院の臨床指導者が必要な場面で助言を行いながら、教材の活用方法や指導の進め方を一緒に確認しました。「受講者が初めて学ぶことを前提に、一つ一つ丁寧に説明すること」「研修の目的を明確に伝えること」など、実践に即した助言も共有されました。

こうして実際に研修を運営する中で、準備の段階では気づかなかった改善点も見えてきました。その都度、中央病院の臨床指導者と一緒に確認しながら改善を重ねた経験は、今後も継続教育を企画・運営していくための貴重な学びとなりました。

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看護におけるコミュニケーションについて、臨床指導者が受講者へ説明する様子。

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作成した指導計画を基に、実技指導を実践する受講者。

心温まるひとコマ

休憩時間には、参加した看護師さんの娘さんが、研修会場に掲示されたポスターの看護師へそっと花を添える、かわいらしい場面も見られました。ポスターの看護師に、日頃頑張るお母さんの姿を重ねていたのかもしれないと感じる、心温まるひとコマでした。

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おわりに

サイニャブリ県病院とルアンナムタ県病院では、それぞれ異なる学びや気づきがありました。しかし、共通していたのは、病院スタッフが「研修に参加する側」から「研修を企画・運営する側」へと一歩踏み出したことです。

今回の経験は、両病院が病院主体で継続教育を企画・運営していくための大切な土台となりました。この積み重ねが、今後も看護師・助産師が継続して学び続けられる環境づくりにつながっていくことが期待されます。

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研修を修了し、継続教育の単位を取得した受講者たち

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(文責:天野 優希)