26. リアルタイムPCR研修
機材メーカーの専門家をUNZAに招き、リアルタイムPCRのセットアップとデモンストレーションを兼ねた研修を実施しました。これは、コロナ禍の際、多くの方が耳にしたことのあるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応/Polymerase Chain Reaction)の原理に基づき、病原体の数を測定する技術です。PCRでは、病原体ごとに特異的なDNA配列を増幅し、それを検出することで、ある病原体が存在していたことを示します。従来の培養法と比べ、短時間で結果が得られるうえ、培養が困難な病原体も検出できるという大きな利点があります。通常のPCRでは「陽性か陰性か」といった定性的な結果が得られますが、リアルタイムPCRを用いることで「どのくらい存在するのか」といった定量的な情報も得ることができます。リアルタイムPCRでは、DNAが増幅される過程で生じる蛍光を測定します。元のDNA量が多いほど蛍光も強いため、異なる試料間の蛍光強度を比較することで、それぞれに含まれるDNA量を推定することができます。そのためには、あらかじめ遺伝子数が分かっている陽性コントロールが必要になります。また、一度に測定できるDNA配列は2種類程度に限られるため、検出したい病原体の種類が多い場合には複数回の測定が必要となり、使用する試料や試薬の量、実験にかかる時間と手間が増えてしまいます。
リアルタイムPCRシステム
メーカーの専門家(左端)から説明を受けるUNZAスタッフ
システムの原理とその運用法について学ぶUNZAスタッフ