55. リアルタイムPCR安定稼働開始
昨年、当研究室に導入された病原体DNA定量用リアルタイムPCR装置(プロジェクト・ニュース No.26 参照)が、このたび安定稼働に至りました。
試料を多数の小区画に分け、陽性区画の割合からDNA量を算出するデジタルPCR(プロジェクト・ニュース No.27およびNo.54参照)とは異なり、増幅過程における蛍光強度の変化を連続的に測定し、その増幅曲線からDNA量を推定するリアルタイムPCRは、比較的安価で操作も簡便であるため、研究や検査においては広く利用されています。
実験の初期段階では、テンプレートDNAを用いた検証の際に、ソフトウェア設定時の反応条件の不備などにより、期待通りの増幅結果が得られない状況が続きましたが、その後、測定条件や試薬配合(特にROXパッシブリファレンス色素)の容積比を詳細に見直し、検証と調整を重ねた結果、最適条件を確立しました。
今回、安定稼働が実現したことにより、遺伝子解析の信頼性が向上しただけでなく、実験の効率化やデータ蓄積の向上にもつながり、今後の研究推進における重要な基盤となることが期待されます。さらに、本装置は学生実習や共同研究にも活用でき、研究室全体の技術力向上にも貢献していきます。
陳樹河/京都大学アフリカ地域研究資料センター特定研究員
デジタルPCRを稼働している京都大学の陳特定研究員(左)と、プロジェクト研究補助員のクリストファーさん