対象5県でのプロジェクト活動調整会議を開催しました(2017年8月)

2017年9月1日

プロジェクトによる農家への普及活動は各県農業普及所との連携の下に行っており、その調整のために年に一度、県知事を議長に県普及所長・郡普及員とプロジェクト関係者によるワークグループミーティング(WGM)を開催しています。

2年度目となる今年は、当初からの対象県であるワンデュ・ポダン県(8月2日)、プナカ県(8月5日)、チラン県(8月22日)、ダガナ県(8月23日)に加え、昨年のプロジェクト調整会議で対象に加えられたガサ県(8月16日、道路状態が悪い為県庁ではなく車で行ける至近の郡役所で開催)の5県でWGMを開催しました。

各県ではJICAの東部での園芸プロジェクトの大きな成果を見聞している各県知事(一部は副知事)や農業普及所長から、申し合わせたようにIHPPへの強い期待が示されました。
プロジェクト側からのプレゼンテーションは基本的にカウンターパートが行い、JICA専門家は質疑応答で必要に応じて回答・コメントする形で議事を進行。バジョ農業研修開発センター(ARDC)長および園芸科長よりプロジェクト進捗の総括とプロジェクトによる普及活動のガイドラインを説明した後、各県担当のカウンターパートから前年の活動実績を報告。現場の普及員からはプロジェクトが普及した果樹・野菜の栽培状況は概ね良好で、野菜は良い現金収入になっており農家からは継続支援の要望があるとする一方、玉ねぎの養生(予措)不足による腐敗、スイカの虫害、一般的に切売りはしない販売形態ではスイカは大玉より小玉が望ましいなどのフィードバックがありました。
今年度の活動計画としては、プロジェクト側より、対象果樹・野菜の品種、果樹の展示農家・10戸程度の農家を纏めた団地形成、野菜では玉ネギ・スイカは栽培管理指導を行い易くするため特定地域で複数の農家を纏めたグループ栽培などを提示。昨年比の倍となる各県別の普及農家戸数と併せて、作物毎に適した標高などの自然環境や農家・普及員の責務などプロジェクトが設定した条件を説明し、効果的な普及に向けて適切な対象農家の選定を依頼しました。これに対し、一部普及所長からは、選挙で選出される郡長などからは各郡に対して公平な支援を求められることが多く、適地適作に基づく濃淡をつけた普及への理解を得難い事情が述べられましたが、知事などからは「従来のバラまき型の普及活動は投入に対する成果が小さく、その一方で農家の行政依存を強めている」との意見もあり、プロジェクトの選定基準に沿って県普及所が候補農家を選定し9月中旬までにプロジェクトに提出することで合意。WGMの最後には、播種時期が迫っている秋・冬野菜の種子を各県約20kgを配布しました。

WGM開催の早かった県からは既に対象候補農家リストが提出され始めており、プロジェクトでは9〜10月にかけて普及員と共に個々の農家を訪問調査し、最終的に選定した果樹農家については10月下旬に導入研修を実施。年内に栽植準備のための圃場レイアウトを行い、年明けの植栽・樹体管理研修を経て植栽を行う予定です。

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バジョARDC園芸科長によるセンター圃場整備状況の説明(ワンデュ県)

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オブザーバー参加したJICA事務所員による講評(ワンデュ県)

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県担当カウンターパートによる前年度の普及活動報告(プナカ県)

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郡普及員による野菜栽培結果の報告(プナカ県)

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チベット国境に近く道路状態の悪いガサ県は郡役所で開催(ガサ県)

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参加者で記念撮影(ガサ県)

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ARDCセンター長によるプロジェクト概要説明(チラン県)

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県担当カウンターパートによる前年度の普及活動報告(チラン県)

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県知事(中央の女性)による開会挨拶(ダガナ県)

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県担当カウンターパートによる今年度の普及活動計画説明(ダガナ県)