果樹普及農家の苗木植栽

2018年3月8日

春の到来を控えたこの時期(1月~3月)、プロジェクトの活動拠点であるバジョ農業研究開発センター及びミトゥン支場では、各種の圃場作業が目白押しとなります。果樹栽培では、来期以降の農家配布用苗木生産や、将来の穂木取り用母樹育成のため、接木・整枝・剪定・播種・定植等の作業が忙しく行われています。野菜栽培では、秋・冬野菜の採種に向けた摘花や害虫駆除、春・夏野菜栽培のための播種や堆肥施用等の圃場準備といった作業を行っています。

忙しいのはプロジェクトの農場だけではありません。1月末の果樹農家育成プログラム研修に参加した果樹普及農家たちも、研修から戻るやいなや、持ち帰った果樹苗木の植え付け作業に追われました。プロジェクトのスタッフも、彼らの後を追うようにしてそれぞれの担当地区に出かけ、植え付け畑のチェックや植栽の指導を行い、輸送手段を持たない普及農家には、苗木をトラックで配送して回りました。

ほとんどの普及農家にとって、本格的な果樹園作りは初めての経験です。プロジェクトの指導に従い、準備万端整った圃場で植え付け作業に勤しむ姿からは、将来の生長と収穫に向けた期待が溢れていました。果樹は、収穫が得られるまで、長期にわたる適切な管理が必要です。普及を進めているナシ・カキ・キウイ・モモ・スモモなどの落葉果樹では、結実までに3~4年、柑橘類では4~5年の時間が必要です。残念ながら、プロジェクトの実施期間中に、彼らの努力が文字通り結実する様子を目にすることはできないかもしれませんが、可能な範囲でサポートを継続する一方、カウンターパートへの技術移転を進めることで、プロジェクト終了後も地域の農家が積極的に果樹栽培に取り組むことができるよう、普及体制の強化に努めたいと思います。

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プロジェクト農場でのナシ苗の接木作業

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カボチャのポット苗づくり

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春・夏野菜栽培に向けた圃場耕起

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果樹普及農家への苗木配送作業

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配達された苗木を持ち帰る果樹普及農家

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果樹園造成のため新たに原野を開墾した果樹普及農家

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苗木を丁寧に植え付ける果樹普及農家

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果樹フォーカスビレッジのメンバーに研修で学んだ技術を伝えるグループリーダー