2018年度ワーキング・グループ・ミーティングの開催(2018年7月)

2018年8月9日

7月の上旬から中旬にかけ、プロジェクト対象5県のうちダガナ県、チラン県、ワンディポダン県、プナカ県でプロジェクトのワーキング・グループ・ミーティング(以下WGM)を開催しました(ガサ県は9月に延期)。プロジェクトが活動を展開する各県には、県レベルでの事業管理メカニズムとしてプロジェクト・ワーキング・グループが設けられており、WGMはその年次総会といった位置付けの重要な会議です。プロジェクトからはバジョ農業研究開発センター長(=プロジェクト・マネージャー)、同センター園芸科長、各県担当カウンターパート、JICA専門家等が出席し、県庁からは議長を務める県知事を筆頭に県農業普及所長、県内各郡の農業普及員等が顔を揃えます。これら双方の関係者が一堂に会する中、プロジェクトの進捗や成果を確認し、進むべき方向性を議論・決定するのです。なお、ブータンの会計年度は当年7月から翌年6月であるため、毎年のWGMは新年度の開始に合わせ、このタイミングで行われています。

WGMでは、県下の農家や郡農業普及員を対象に実施している園芸普及事業が主要な議題となります。冒頭にプロジェクト・マネージャーがプロジェクトの進捗概況を紹介した後、園芸科長がプレゼンテーションを行い、活動計画と成果指標に基づく事業の達成状況を報告しました。報告を受けた県知事からは一様に、プロジェクトの取り組みに対する評価と、今後の展開に向けた一層の期待が示されました。
続いて当該県を担当するカウンターパートから、前年度の事業実績と今年度の事業計画に関する報告がなされました。ここで重要なのは、やはり今年の普及事業をどのように実施するのかを協議することです。プロジェクトから提案された普及プログラムの対象農家数や対象作物、さらには農家選抜に当たっての基準等について活発な議論が交わされ、ワーキング・グループとしての合意が形成されました。

WGMは原則年に一度のみの開催であり、出席者のプロジェクトへの参与の程度も一様ではないことから、プロジェクトの趣旨から外れた要望や問題提起がなされる場面も散見されますが、そういった事実も踏まえた上で、県レベルの普及事業に携わる関係者が一堂に会し、プロジェクトの活動や目的を改めて共有することの意義は大きいと言えるでしょう。
また、WGMは、プロジェクトが推進するアウトリーチ・プログラム(特に果樹普及農家育成プログラム)のキックオフ・ミーティングの役割も果たしています。同プログラムはブータンの会計年度に沿ったサイクルで動いており、今年度は第3期目となります。今後、WGMでの合意事項に基づき、約1年の時間を掛けて農家選抜、圃場レイアウト、技術研修、苗木配布・植栽等一連のメニューが実施されることになります。

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プロジェクトの成果を報告するバジョ農業研究開発センター園芸科長(ダガナ県)

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議長として積極的にWGMの議論をリードするダガナ県知事(ダガナ県)

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WGMは伝統様式で建てられたゾン(県庁兼僧院)で行われます(チラン県)

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普及事業の活動実績・計画を報告する県担当のカウンターパート(チラン県)

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WGMの様子(ワンディポダン県)

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普及現場での課題や成果を報告する郡農業普及員(ワンディポダン県)

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WGMの会場となったプナカ・ゾン(プナカ県)

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WGMの出席者たち(プナカ県)