ボリビア多民族国(以下、ボリビア)は、中南米においてハイチに次いで妊産婦死亡率(2013年WHO推計値:200対出生10万件)、5才未満児死亡率(同39対出生1千件)及び乳児死亡率(同32対出生1千件)が高い。中でも家計所得、教育水準が低い世帯、先住民が多く居住する高地高原地域の健康指標が悪く、国全体の高い死亡率に大きな影響を与えている。この状況は過酷な環境に居住している妊産婦及び乳幼児に対し、基礎的なケアを提供できる保健医療人材の不足に加え、地域の保健医療施設への信頼度の低さやコミュニティ・家族内での女性の意思決定権が弱いといった慣習により、適時に保健医療サービスを利用しないなど、複合的な背…