【第9号】農業でつなぐ日本とインドネシア-JA邑楽館林若手職員の奮闘-

2019年8月19日

7月14日から1ヶ月弱、プロジェクトで受け入れたJA邑楽館林の若手職員3人組も活動を終えて帰国の途につきました。彼らがインドネシアにやってきた経緯は前回のプロジェクトニュース(注)をご覧ください。

前半はプロジェクト専門家に同行して農家や圃場、サプライヤーを訪問しインドネシアの農業の今を体験した3人ですが、後半は「特別活動」として専門分野に分かれてそれぞれ農家グループでの技術指導やマーケティング、金融アクセス支援において活躍して頂きました。
初めての海外という方もいて、言葉も通じない、文化も違う、もちろん農業技術に関する常識も日本とは違うインドネシアで、戸惑いながらも奮闘した3人から活動を終えての思いを寄せて頂いたので皆さんにもご紹介したいと思います。

落合威夫さん(29才)

担当:営農指導
特別活動:クロダニンジンの出荷規格統一の技術指導(バンドン県農家グループ)、販売促進の支援(AEON BSD店)

クロダニンジン生産農家グループの一つAl-Ittifaq協同組合へ赴き、出荷の準備(規格選別表の作成など)を支援しました。また、AEONで販売中のクロダニンジンの試食販売もお手伝いせさていただきました。ジュースやサラダにしたクロダニンジンは大変好評で、多くのお客様にクロダニンジンの魅力を知っていただけたと思います。
こうした販売促進活動は認知度向上、売上増大にとても効果的なので、クロダニンジンに限らず、今後も様々な農産物で取り組めると良いと考えます。
今回のこのような貴重な経験をインドネシアだけで終わらせることなく、日本に戻ってJA邑楽館林の職員と情報共有し、私たちの日頃の業務にも活かしたいと考えております。

高際直人さん(29才)

担当:営農指導
特別活動:スカブミ県のインゲン生産農家グループで栽培・収穫後処理の技術指導

終わってみればあっという間の3週間でした。初めて来たインドネシアで何ができるのか不安でしたが、今は皆さんに助けられて活動できたことに感謝しています。
私は、畑に出向き、実際にインゲンの状態を見ながら農家と問題解決に向け話し合いを持ちました。作物の今の状態は実際に自分の目で確認しないと解りません。また、農家と直接会ってコミュニケーションを取ることでお互いを理解し、信頼関係を築くことができました。これは日本でのJAの業務でも同じことです。関係性を構築するには時間はかかりますが、業務を行うためには重要な要素になっています。
このJA-JICAプログラムが将来、「農業」を通じて日本と多くの国や人との相互協力の場になることを願っています。

襟川泰成さん(29才)

担当:金融(ローン融資)
特別活動:プロジェクト対象各地域でKUR融資(小規模無担保融資)の推進支援

私は金融分野での活動を行い、銀行や農家との会合に同席するなかで、主に農家に対する融資(KUR)のサポートをさせていただきました。約3週間という短い期間であり、融資実行までサポートすることはできませんでしたが、今後の手続きが順調に進み、各農家が無事に融資を受けられるよう願っています。
また、今回の融資をきっかけとしてより多くの農家が融資を活用できるようになれば、生産意欲が高まり所得の向上に繋がる機会が生まれるので、非常に重要なプロジェクトに参加させていただけたことに感謝しています。インドネシアと日本とでは、融資の制度や返済方法等に異なる点があり勉強させていただいたことも多く、新しい考え方として日本での業務に活かすことができればと思っています。

日本の農業の一翼を担うJAの若者たちが新たな経験や学びを持ち帰り、日本社会へ還元してくれることを嬉しく思います。プロジェクトでは今後も農業を通じて日本とインドネシアの橋渡しができるよう精進してまいります。皆さまのご声援をどうぞよろしくお願いいたします。

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AEON店頭に立ちクロダニンジンの試食を勧める落合さん(左)

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インゲン生産農家と栽培の課題について相談する高際さん(左から2人目)

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お客様に好評なクロダニンジンの試食(右端:襟川さん)

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カウンターパートの園芸総局職員と(前列左から落合さん、高際さん、襟川さん)

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クロダニンジンの出荷規格表を作成する落合さん(真ん中)

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プロジェクト専門家の圃場モニタリングに同行

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銀行と農家のKUR融資説明会に参加する襟川さん(左端)

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圃場で散水設備を確認する高際さん