ジャカルタはインドネシア共和国の首都として人口約1,017万人(インドネシア政府統計2015年)を抱え、政治・経済の中心地として急速な発展を遂げている。一方、地下水の過剰揚水を一因として、ジャカルタ北部では2000年以降最大2m以上の地盤沈下が発生している。その結果、都市面積の6割以上が海抜ゼロメートル以下の低地に位置することとなり、都市機能の脆弱性を高めている。既に、満潮時には一部の地域で海水が侵入する等の被害が表面化しており、降雨時の浸水被害や洪水時の湛水被害も拡大するなど、住民への影響が出始めている。また、不等沈下等による地上インフラ(建物、橋梁など)および地下インフラ(水道管、下水道管…