1)当該国における農業セクターの開発実績(現状)と課題
マダガスカルは約58万7千平方キロメートルの国土(日本の約1.6倍)に2,489万の人口を有するが、一人当たりの国民総生産(GDP)は400USドルに過ぎない最貧国である(2016年)。労働人口に占める農業セクターの割合は約75%に及ぶものの、GDPに占める農業セクターの割合は25%にとどまる(2016年)。マダガスカルでは農業開発を通じた貧困削減が求められているが、農業セクターが抱える主要課題の一つが低い農業生産性である。同国では適正栽培技術の普及の遅れ、農業投入材(優良種子、肥料、農業機械)の低い導入率、近代的灌漑施設の未整備…