ウブルハンガイ県で初めてのTOT研修が開催されました

2018年10月7日

2018年10月4~6日、日本人短期専門家の協力を得て、ウブルハンガイ県地域診断治療センター(Regional Diagnostic and Treatment Center:RDTC)を会場に、周辺県の指導医を育成するために、TOT研修が開催されました。

本プロジェクトでは、日本の臨床研修指導医講習会(TOT研修)をモデルに、モンゴルにおける指導医を育成するため、2016年以降TOT研修を開発し、実施してきました。今年5月にはモンゴル全土から参加者を得て、TOT研修全国大会も開きました。

これまで地方でのTOT研修は、プロジェクトのモデルサイトであるオルホン県に限って開催してきました。しかし、モンゴルが目指す地方での医師の育成を実現するためには、モンゴル各地に指導医を養成する必要があり、今回初めて、モデル県以外の地方での研修が実施されました。

今回の研修には、ウブルハンガイ県だけでなく、アルハンガイ県、バヤンホンゴル県、ゴビアルタイ県という周辺の3つの県から合計23名が参加しました。研修が開始されたときには、それぞれ同じ出身県の者同士で集まっていましたが、グループでのディスカッションを重ねるうちに、お互いに打ち解け、最後には本当に昔から仲間であったかのように議論していました。研修修了時には、「地方でこのような有意義な研修をしてくれたことに感謝したい」、「講師からだけでなく、同じグループの仲間からも多くのことを学んだ」などの感想が述べられました。

TOT研修を進めるファシリテーターたちも、ウランバートルだけでなく、ウブルハンガイ県及びバヤンホンゴル県から集まりました。研修前日の練習のときには表情が硬く、余裕がありませんでしたが、前日夜遅くまで練習を重ねたおかげで、当日には自信に満ちた顔になって講義をしていました。特に「自分は教えることが好きで、教えることに喜びを感じる」と話してくれたファシリテーターの笑顔が印象的でした。

プロジェクトは、モンゴル側が進めたいと考えている地方での臨床研修を実施することができるよう、続けて協力していく予定です。今後も地方で指導医を育成することができるよう、さらに活動を続けたいと思っています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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モンゴルが求める医師像について議論している参加者たち

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参加者一同(前列にファシリテーターたち)