総合診療研修で用いられる、研修マニュアルの作成が進められています(続報)

2019年1月8日

2018年9月から10月にかけ、総合診療研修が実施されているオルホン県地域診断治療センター(RDTC)の小児科医たちが、大原医師(国際医療研究センター国際医療協力局・小児科専門医)の支援を得て、研修医が小児科ローテート中に利用できる研修マニュアルを作成しました。(2018年10月18日、11月13日プロジェクトニュース参照)。その後複数回の修正を経て、2019年1月5日、このマニュアルが、保健省の小児科専門委員会にて、総合診療研修で用いる小児科のマニュアルとして正式に承認されました。

また2019年1月7日より、産婦人科専門医である赤羽医師(国際医療研究センター国際医療協力局)がオルホン県RDTCで活動を開始しました。2週間かけて産婦人科ローテート中に研修医が参照できるマニュアル作りに取り組みます。キックオフミーティングには、オルホン県RDTCの全ての産婦人科医が集まり(図1)、赤羽医師より活動目的と活動内容が共有され、協力して産婦人科研修マニュアルを完成させていく過程を確認しました。ミーティング時には、保健省の産婦人科専門委員会の委員とも電話で協議し、マニュアルの作成方針を確認しました。産婦人科医たちが、施設を超え、研修医たちのために役立つものを作るために協力しあっており、その意気込みに心打たれました。

小児科のマニュアル作りに参加したオルホン県RDTCの小児科医たちは、「自分たちでも力を合わせて頑張ることで、この国の研修医の役に立つ仕事ができることがわかり、とても自信になった。」と、話していました。今回の活動が、研修医だけでなく、作成に関わる医師たちの能力強化につながることも期待しています。

プロジェクトでは、産婦人科研修マニュアルも保健省専門委員会で承認され、すべての総合診療研修を受ける医師たちに利用してもらえるマニュアルに仕上げることができるよう、支援を続けたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

【画像】

図1.キックオフミーティングの様子(写真左から5人目が赤羽医師)