チンギルテイ地区病院における総合診療研修の実施に対する支援活動を開始しました(続報)

2019年5月16日

2019年3月7日に開催されたプロジェクトのJoint Coordination Committeeにおいて、オルホン県地域診断治療センター(Regional Diagnostic and Treatment Center:RDTC)と合わせ、2018年10月から総合診療研修が開始されているチンギルテイ地区病院(ウランバートル市内)も、プロジェクトのモデル施設に加えられました。それを受け、5月14日、チンギルテイ地区病院の指導医を対象に、研修医評価に関する勉強会を行いました。これは、4月にチンギルテイ地区病院研修部のJavkhaa先生から発表された、数カ月以内に取り組むべき行動計画に挙げられていた内容に応えるものです。

研修医の育成には、研修における到達目標を立て、目標に到達するための研修を提供することだけでなく、目標に向けて研修医の成長を促すために、適切な方法で評価することが重要です。今回の勉強会では、主に総合診療研修で行われている業務基盤型評価(workplace based assessment)について、指導医たちと共に学び会いました。また現場で使用することを意識し、効果的なフィードバックの方法について、具体的な例を挙げて学びました。

指導医たちは、日々研修医たちに評価を実践しておられることもあり、勉強会では具体的な質問が多数出ました。フィードバックの方法については、初めて聞いたという指導医もおられ、今後の研修医指導に活かしたいと感想を述べられていました。今回の勉強会により、指導医たちが自分たち独自の方法で行っていた可能性のある評価やフィードバックがある程度標準化され、より研修医の育成効果が高まる可能性を感じました。

来年度は、総合診療研修を実施する病院が、モンゴルの地方やウランバートルの地区病院を中心に増えることが期待されています。今後は、今回指導医たちが病院内で学びあった内容が病院の枠を超えて学び合えるようになり、モンゴル全体の研修医育成の質の向上に貢献していくことができるよう、プロジェクトも技術支援を続けていきたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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20名近い指導医が集まり、研修医評価や効果的なフィードバックの方法について学びあいました