専門研修のカリキュラム改定セミナーを開催しました(続報)

2019年5月24日

2019年3月7日に開催されたプロジェクトのJoint Coordination Committeeにおいて、プロジェクトは今後専門研修のカリキュラム改定に関する指針作りにも技術的支援を行うことが決まりました。この決定を受け、4月11日に、まずキックオフとなる勉強会を開催しました(プロジェクトニュース2019年4月12日参照)が、今回はそのフォローアップとなる研修を5月23日に実施しました。

モンゴルでは、長期間改定されていないカリキュラムや新しく研修を開始する研修プログラムのカリキュラムなど、一部の専門研修のカリキュラムを改定する必要が生じています。プロジェクトでは、昨年5月に総合診療研修医が到達すべきアウトカムに基づく、標準カリキュラムの開発を支援しました。その経緯もあり、専門研修カリキュラムの改定も支援することになりました。

研修では、午前中は主にアウトカム基盤型カリキュラムの開発手法について、プロジェクトから情報を提供し、一同で学びました。また午後は、専門診療科ごとに到達目標の作成に取り組みました(図1)。カリキュラム作成に必要となるニーズ調査は、事前に必要な情報を参加者たちに提供しておきました。各診療科で研修すべきことについて、データ収集や専門家からヒアリングを実施してきていましたので、ニーズに基づく到達目標づくりに取り組むことができました。その後作成した到達目標は参加者と共有しました(図2)。最終的には20近い診療科から、40名以上の参加者が集まりましたが、最後まで真剣な表情で研修に参加されており、より良いカリキュラム作成に対する強い意気込みを感じました。

今後は、さらに到達目標を整理し、続けて研修の方略や評価を加え、カリキュラムを完成させたいと考えています。今回のカリキュラム改定の作業により、多くの専門診療科で研修医教育に対する意識が高まり、国民に必要とされる能力を身につけた専門医の育成につながることを期待し、プロジェクトとしても支援を続けていきたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.参加者たちは、専門診療科別に集まり、到達目標の作成に取り組みました

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図2.作成した到達目標は、参加者たちと共有し、さらなるブラッシュアップを図りました