指導者養成研修のファシリテーターを育成する研修が実施されました

2019年12月6日

12月4日から6日にかけ、保健開発センターにて指導者養成研修(TOT研修)のファシリテーターを育成する研修が約1年半ぶりに実施されました。

プロジェクトでは、2016年以降指導医を育成するTOT研修を開発し、研修実施を支援しています。現在すでにモンゴルのリソースのみを用いてTOT研修が実施されており、これまで650人以上に対し研修が提供されています。またTOT研修の指導者(ファシリテーター)を養成する研修も過去に3回実施しています(プロジェクトニュース2018年5月21日参照)。

今回のファシリテーター養成研修は、2つの特徴があります。まずは初めてファシリテーター養成研修をモンゴル人のファシリテーターのみで実施したこと、また初めて看護師のファシリテーター候補がファシリテーター養成研修に参加したことです。

過去3回のファシリテーター養成研修は、いずれも日本人専門家が指導に関わっていました。しかし、前回2018年5月にファシリテーター養成研修を実施した際、ベテランのモンゴル人ファシリテーターたちにも、ファシリテーター養成研修の指導を行なってもらいました。日本人専門家の指導のもと、TOT研修中のディスカッションの進め方、講義内容のポイントなどを指導してもらいましたが、その内容を見学した日本人専門家から、「今後はモンゴル人だけでファシリテーター養成研修を実施しても全く問題ない」とお墨付きをもらっていました。そこで今回、初めての試みとしてモンゴル人のみでファシリテーター養成研修を実施しました。

また、現在プロジェクトでは看護師のTOT研修の開発に取り組んでいます。保健大臣より指示を受けたワーキンググループ(WG)のメンバーが中心となり、半年ほど前から研修内容を協議し、研修資料の作成に取り組んできました。今回はそのWGのメンバー8名が、ファシリテーター養成研修を受講しました。これは12月下旬に予定されている、看護師のTOT研修でファシリテーターとして指導するWGのメンバーが、効果的に研修を指導できるようにするためでもあります。

モンゴルの有能な人たちが力を合わせ、TOT研修のファシリテーターを自分たちの力で育成し、さらに看護人材の育成にも取り組むことができることは、TOT研修が確実にモンゴルのものになったと言えるのではないかと思います。プロジェクトに残された活動期間は少なくなりましたが、この成果がしっかりと根付くよう、技術的側面からの支援を続けたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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「コーチング」をテーマに講義の練習をする受講生。笑顔が見られるように「楽しく学ぶ」様子が伝わってきます。