日本の臨床研修病院での研修の視察が実施されました

2019年12月17日

11月18日から29日、また12月2日から13日にかけ、9名のモンゴルの医師たちが2つのグループに分かれ、日本の2つの臨床研修病院において研修の視察を行いました。研修開始にあたり、サラゲレル保健大臣から直接激励の言葉をかけていただき(プロジェクトニュース11月19日参照)、モンゴルの卒後臨床研修制度を改善するため、日本の制度から多くを学ぶ意気込みで視察に臨んだ研修員たちは、実り多い視察を行うことができました。

国際医療福祉大学三田病院(11月18日から29日)では、オルホン県、ドルノド県、ウムノゴビ県、ホブド県から集まった5名の医師たちが、研修医たちと行動を共にし、研修医たちが何をどのように学んでいるのか、研修医を指導する指導医たちは、どのように指導に備え、実際にどのように指導が行われているのかについて、詳細を学ぶことができました。また滞在期間中、同病院では視察ができなかった救急医療や小児医療の現場における研修医指導について学ぶため、東京都立多摩総合医療センター及び小児総合医療センターに視察に行く機会も設けられていました。

国立国際医療研究センター(12月2日から13日)では、チンギルテイ地区病院(ウランバートル市内)やウブルハンガイ県の病院などから4名が研修に参加されました。同病院には、過去にモンゴルで活動された医師たちが複数在籍していることもあり、連日異なる部署で研修医と行動をともにし、臨床研修の状況を視察しましたが、どこでもモンゴルの医師たちに熱心に対応していただきました。研修員たちは質問したいことがあまりにも多く、視察に予定されていた時間が過ぎても質問をしていたほどでした。

両グループとも、今後モンゴルで臨床研修制度を確立し、地方でも研修が実施できるようにするために必要なこと、そのために変えないといけないことが明確になったようです。両グループとも最終日には研修で学んだことを報告していただきましたが、研修を受け入れてくださった施設の関係者への感謝とともに、帰国後の活動に対する強い決意が述べられていました。

今回の研修視察は、JICAの支援もありましたが、モンゴル保健省と費用を分担しています。つまり国の希望のもと研修を企画し、実施しています。来年以降は、医師のみだけでなく、看護師の育成にも積極的に取り組む構想がありますので、さらにより良いものを学んでいただき、モンゴルにおける医療人材制度の改善に役立てていただけるよう、プロジェクトでも可能な範囲での支援を考えたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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国際医療福祉大学三田病院での研修終了後の記念撮影

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国際医療福祉大学三田病院では手術室内での研修の視察も行いました

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国立国際医療研究センターでの研修終了後の記念撮影

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研修医たちの勉強会にも参加させていただきました