新型コロナウイルス院内感染管理に関するオンライン研修が行われました

2021年1月27日

2021年1月20日、国立国際医療研究センター呼吸器内科の草場勇作医師により、「新型コロナウイルス院内感染管理」に関する研修が、日本とモンゴルをオンラインで結んで実施されました。
今回の研修は、私たちプロジェクトの配属機関であるモンゴル保健開発センター(CHD)より、プロジェクトに対して依頼があったもので、新型コロナウイルスに関連する研修は、昨年8月、同じく国立国際医療研究センターの石金正裕医師による「COVID-19の臨床:治療指針、並びに院内感染管理」(2020年12月に終了した「一次及び二次レベル医療施設従事者のための卒後研修強化プロジェクト」プロジェクトニュース2020年8月20日参照)に続いて2回目となります。

モンゴルは強力な感染対策を行うことで市中感染を防いできましたが、昨年秋以降感染の拡大が続いています。また、院内感染も複数例確認されています。このような状況下、感染患者を受け入れる医療機関側も、これまで以上に感染対策が求められています。
草場医師が診療する国立国際医療研究センターは、日本において新型コロナウイルス感染症対策を行う主要機関のひとつで、これまでに多くの患者を受け入れて治療を行っています。そこで、院内感染防止の取り組みについて情報を共有し、モンゴルの医療従事者がそれぞれの施設において、その取り組みを参考にすることができるよう研修を実施しました。

講義では、感染経路や感染患者の診療時に欠かせない予防策、その土台となる標準予防策を改めて学びました。また院内の換気や病室内のベッドの間隔、リネンの取り扱い、消毒、廃棄物の処理といった視点からも予防対策を学びました。さらに院内コミュニケーションの重要性について説明され、スムーズなコミュニケーションを実現した組織作りについて、国立国際医療研究センターの実例を紹介頂きました。

講義に参加したモンゴルの医師たちからは、現場ですぐに活用できる価値の高い情報が提供されたことに対し、感謝の言葉が多く寄せられました。国は異なっていても、共通の課題に対し知見を共有できたことは、双方にとって有益なこととなりました。

今回のオンライン研修は、地方を含む国内医療関係機関から700人を超える参加者があり、本テーマに寄せるモンゴルの医療従事者方々の関心の高さをあらためて知ることとなりました。今回の研修が、モンゴルの新型コロナウイルス感染拡大の防止の一助となることを願い、プロジェクトでは、続けてモンゴルの医療に貢献したいと考えています。

医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト・メンバー一同

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日本の国立国際医療研究センターから講義する草場医師

【画像】研修時のモニター画面スクリーンショット