所長あいさつ

みなさん、こんにちは。

2022年8月5日にJICAブータン事務所長として着任いたしました。

着任後、多くの閣僚はじめJICA事業に携わる方々と面談をさせていただきブータン政府またブータンの市民の方々のJICAと日本への大きな期待と信頼を実感しています。

ブータンでは、1964年以降長年ブータンの農業生産の拡大に従事しダショー(注:「最高の人」という意味のブータンの爵位)の爵位を得た西岡京治氏の指導やその後累次実施している農業分野の協力が大きな遺産となり、その後、JICAの事業は、農業・農村開発、インフラ整備、医療・公共サービス支援などの分野で、技術協力(ボランティア、草の根技術協力を含む)、無償資金協力、円借款、民間連携などの様々な協力形態に発展しています。

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全世界に影響を与えた新型コロナウイルス感染症は、ブータンにとっても大きなチャレンジとなりました。そのような中でも、日本からの人の往来を前提にしない活動をブータン政府やコミュニティの方と知恵をしぼり、多数具体化してきたことがブータンから日本への大きな感謝と期待につながっています。

2022年には、11年ぶりの円借款事業「新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援借款」の貸付契約(Loan Agreement:L/A)に調印するなど、JICAによるブータンの関係はコロナ禍を経て新しいステージに入りつつあります。

JICAボランティアも少しずつ派遣人数を戻しつつあります。

迅速なワクチン接種でコロナ禍を克服しつつあるブータンですが、社会・経済上大変難しい課題を抱えています。慢性的な貿易赤字や外貨不足、若年層の国外への流出や都市部と農村部の格差拡大、国を牽引する新しい産業や雇用創出は非常に大きな課題であり、コロナ後の重要な課題となります。

JICAはこれまでの協力で得た経験や信頼を基に、引き続きブータンの社会・経済上の課題解決に貢献し、日本とブータンの関係の向上に努めていきます。

2022年8月12日

JICAブータン事務所長
山田 智之