起動式の開催

2015年4月28日

−日系企業のCSRと社会組織との連携を目指した新規プロジェクト始動

2015年4月28日、JICA中国事務所は「企業の社会的責任(CSR)実践における企業と社会組織との連携」シンポジウムを開催しました。今後行われる新規調査の概要紹介に加え、中国における企業のCSR活動及び社会組織の発展、政府-企業-社会組織間の連携に関して、有識者からの基調講演が行われました。企業、社会組織、国際機関、専門機関、メディアなど、70名あまりが参加し、活発な意見交換が行われました。

新規プロジェクト始動

近年、世界で企業の社会的責任(CSR;Corporate Social Responsibility)への関心が高まっています。中国においては国内企業のみならず外資企業のCSR活動も活発化しつつあり、日系企業も積極的に推進しています。また、中国では近年、社会組織(中国で非営利法人の総称。社会団体、基金会、民間非企業単位を含む)が市民社会を構成する重要なアクターとなっており、特に防災減災や環境保護、医療、高齢化、貧困削減、教育などの分野において、政府が代替し得ない重要な役割を果たしています。
これらの背景を踏まえ、日系企業によるCSR活動及び中国社会組織に関する情報を整理・分析すること、また、日系企業と中国社会組織との連携を促進することを目的として、「企業の社会的責任(CSR)実践における企業と社会組織との連携プロジェクト」を実施します。中国で社会貢献活動を行いたい日系企業と、中国が抱える課題の解決に取り組んでいる社会組織とのマッチングを図り、両者の効果的な連携・活動の発展を目指しています。本プロジェクト調査は、JICAから北京師範大学社会発展・公共政策学院への委託により実施されます。

「企業の社会的責任(CSR)実践における企業と社会組織との連携」シンポジウム

【画像】

日時:2015年4月28日(火)14:00-17:00
場所:北京中航泊悦ホテル
主催機関:JICA中国事務所
実施機関:北京師範大学社会発展・公共政策学院
後援機関:中国日本商会

新規プロジェクトの起動式も兼ねたシンポジウムを4月28日に開催し、中国民政部、在中国日本国大使館、北京師範大学、中国日本商会をはじめ、中国における日系企業、社会組織、国際機関、専門家・学者、メディアなど、約70数名の代表が参加しました。
シンポジウムでは、北京師範大学社会発展・公共政策学院 企業社会責任と社会企業研究センターの余暁敏・主任より、新規プロジェクトの調査概要について発表が行われ、参加者との意見交換が行われました。
続けて基調講演が行われ、責揚天下北京管理顧問有限公司の于志宏・首席専門家より「中国における企業CSR活動の発展概況」について、北京師範大学社会発展・公共政策学院の陶伝進・教授より「中国市民社会組織の発展」について、北京恩派(NPI)公益組織発展センターの王維娜・プロジェクトディレクターより「政府-企業-社会組織の連携」について発表が行われました。講演終了後は、中国の社会組織及び日系企業の代表から多くの質疑応答が行われ、これらのテーマについて参加者より多くの関心が寄せられました。

今後の展開

本プロジェクトでは今後、中国における日系企業及び中国社会組織に対してアンケート調査を実施します。現在実施されている活動、課題及び今後の活動発展に向けての要望などにつき情報を収集・分析し、多くの方にも活用していただくべく広く共有を行う予定です(中間報告会及び最終報告会を開催予定)。
企業と社会組織の連携及びそれらの活動の展開には相互の信頼関係の構築が必要です。JICA中国事務所はこれまで行ってきた開発協力の経験を生かし、本プロジェクトを通じて連携の後押し・協力の発展推進を進めていきます。

<関連リンク;現地メディアによる報道>
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