【実施報告】ユースピースボランティア講習会にJICA研修員が参加しました!

2023.09.27

 JICA中国では、8月15日から9月8日まで、広島県内の大学で学ぶ2名のインターンを受け入れ、様々な事業に携わって頂きました。このユースピースボランティア講習会には、1名がJICA研修員の引率者として、1名は自らがボランティアとして参加し、それぞれの立場からレポートを書いてくれました。

インターンとして同行した視点から

 8月27日に広島市の平和記念公園にて「ユースピースボランティア講習会」が行われ、JICA研修員15名が参加しました。
 はじめにグループ分けがあり、研修員1~2名にユースピースボランティア5名ほどが1グループとなり、9グループに分かれて自己紹介を行いました。始めは緊張しながらもだんだんと打ち解けているグループもあれば、最初から話が盛り上がっているグループもありました。どのグループも楽しそうにコミュニケーションを取っている様子でした。

 その後、全員で記念撮影をし、グループに分かれてユースピースボランティアの皆さんによる英語のガイドを聞きながら、平和記念公園をまわりました。ユースピースボランティアの皆さんは、原爆死没者慰霊碑、レストハウス、原爆の子の像、韓国人原爆犠牲者慰霊碑、原爆供養塔、平和の鐘、原爆ドーム、動員学徒慰霊塔を案内してくれました。研修員の皆さんは、真剣にボランティアさんのガイドに耳をかたむけ、わからないところを質問していました。

 ある研修員は、平和記念公園に来るのは2回目だが、1回目に来たときは詳しいことがわからなかったため、今回英語によるガイドを通して平和記念公園や広島の歴史について深く知ることが出来たようでした。また、「広島の悲劇について知り、悲しい気持ちになったが、広島について知る良い機会になった」と話してくれた研修員もいました。
 また、研修員は、広島の歴史について学ぶだけでなく、グループのみんなで記念撮影をしたり、英語で会話をしたりと、グループのメンバーと楽しく親交を深めることもできたようです。ガイドの後はグループ別で振り返りシートを記入し、解散となりました。お別れの時間には、ボランティアの方たちと写真を撮ったり、ハイタッチをする研修員もいて、とても仲良くなった様子でした。暑い中でしたが、とても勉強になる楽しい講習会となりました。

グループでの自己紹介

ボランティアによる案内

原爆の子の像の前で

JICA中国インターン生 広島大学 垣本名保

ユースピースボランティアガイドとしての目線から

 今回のボランティアでは、パキスタン出身のAtta Nausheenさんと息子のAzfar muhamamd Rayyan さんのお二人を案内しました。ガイドでは、平和の鐘、原爆死没者慰霊碑、相生橋、原爆ドーム、韓国人慰霊碑、原爆供養塔などを案内しました。
 平和の鐘では、なぜ鐘の周りに蓮の花が植えられているのかと質問してくださり、被爆当時蓮の葉が被爆者を火傷から守るために使用されていたからだということを伝えました。また、鐘に描かれている国境のない世界地図を見ながら一緒にパキスタンの場所を探したり、鐘を打って平和への祈りをしたりしました。
 原爆供養塔でのガイドでは、遺骨や氏名の判明しない遺骨が約7万柱納められていることを高校生のガイドが伝えると、Nausheenさんは涙を流しながら話を聞いてくださっていました。
 ガイドの間では、日本での生活やパキスタンでの学びなど様々なことをお二人とお話しました。Nausheenさんは、大学で開発経済学について学んでいるそうで、日本に来る前から広島の現場資料館を訪れたかったのだと話してくださいました。また、パキスタンの小学校から日本の小学校に編入した9歳のRayyanさんとは、好きな教科や日本語についてお話しました。また、パキスタンの小学校では、日本の歴史について習いましたかと質問すると、長崎と広島に原爆が落とされたこと、そして、長崎に落とされた理由の一つに、当初予定していた福岡への投下が天候悪化によってできなくなったことを勉強したと話してくださいました。日本の小学校では、パキスタンの歴史についてそれほど詳しく勉強しないですし、私自身もパキスタンの歴史について多く知っているわけではないので、Rayyanさんの他国の歴史を積極的に学ぶ姿勢に感銘を受けました。
 3年間続けてきたユースピースボランティアですが、JICA研修員の方に向けて平和記念公園で実際にガイドをする経験は初めてでした。今回ガイドをさせていただいたお二人は、日本や広島、長崎の歴史に関心をもって聞いてくださり、ガイドをしていて暖かく平和な気持ちになりました。それと同時に、質問してくださることに誠意をもって返答したいという責任感も芽生えました。今後は、パキスタンなどの日本から離れた国の歴史により関心を向けていきながら、自国や生まれ育った地域の歴史についてさらに知識を深めて伝えていきたいです。

平和の鐘にて説明をする様子

JICA中国インターン生 叡啓大学 福高七海

※ユースピースボランティア:次代を担う広島の青少年が平和の大切さを学ぶとともに、平和記念公園を訪れる外国人に対して被爆の実相を英語で伝えるボランティアガイドで、ヒロシマの心を国内外に伝える活動の一環として広島市、(公財)広島平和文化センターが主催する事業。

関連リンク:
広島平和記念資料館
研修員受入事業

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