【実施報告】テレビ新広島「発見!体験!こども企業ツアーズ」に全面協力しました!

2023.09.20

テレビ新広島(以下、TSS)が取り組むSDGs企画の一環として、子どもたちの体験学習を応援する「発見!体験!こども企業ツアーズ」が3月より3回にわたって開催され、JICA中国はプログラム構成から当日のファシリテーションまで協力を行いました。広島県内の計6か所の企業を訪問、事業概要やSDGsへの取組みを知り、自分に何ができるかを考えました。

毎日の買い物とお米から考えるSDGs

 3月29日(水)、この日はJICA中国がある東広島市の2つの企業を訪問しました。
 午前中訪れたのは、ゆめマート西条。電気自動車の充電器の設置や再生可能エネルギーの100%利用など、環境に配慮した経営で注目を集めています。この日見学したのは、消費期限の早いものから購入を促す「てまえどり」の推進や余剰食品を寄贈する「フードドライブ」の活用、そして大きなリサイクルボックスでした。店舗やバックヤードを見学したあと、子どもたちはゆめマートが行うたくさんの取組みが、SDGsの17のゴールのうちどれにつながるかを考えていきました。ゴールとのつながりを意識することで、その目標達成に向けて自分に何ができるかを考えるきっかけにもなります。SDGsのゴールが書かれた付箋を使いながら、「このゴールが関係するなら、こっちのゴールもつながるんじゃない?」と、柔軟な発想で多くのゴールとのつながりを考えてくれました。

 午後は、1世紀以上にわたって穀物加工技術の分野で研究開発を重ね、その製品や技術を世界各国に提供している株式会社サタケを訪問しました。お米の精米過程を見学し、大きな機械をたくさん見た後で「食事を捨てないためには?お米をもっと食べてもらうには?」をグループごとに話し合いました。私たちが食べるお米は残念ながら消費量が減っています。また、日本にはまだ食べられるのに捨てられる食料がとても多いという問題もあります。食物を捨てないために、美味しいお米をもっとたくさん食べてもらうためにはどうしたらよいか、ユニークなアイデアがたくさん飛び出しました。

SDGsの取組みを知ろう

SDGsのゴールとのつながりは?

「お米をもっと食べよう!」アイデア発表

捨てられる野菜、捨てられる木で生まれる電気

 4月5日(水)、最初に向かったのは北広島町大朝にある弘法菜園。ほうれん草が栽培されているビニールハウスと選果場を見学しました。選果場ではほうれん草が袋詰めされていますが、決まったサイズより小さすぎたり大きかったりすると出荷できず、味は変わらないのに捨てられてしまうそうで、それは収穫量の約3~4割ともいわれています。それらの出荷できない野菜を新たな商品として生み出しているのが、その後でお邪魔したhakken広島オフィス。安芸高田市にある民家を改造したこの会社では、廃棄されてしまう野菜を乾燥野菜として加工し、販売しています。実際に稼働する乾燥機を見せてもらったあとで、食品ロスをどうしたら減らせるか、をグループごとに考えました。今回のポイントは、この問題を知らない人にも知ってもらい、社会全体で食品を捨てないようにするためにどうしたら良いか、という点です。関心がない人に知ってもらうには?捨てられてしまう野菜をもっとうまく活用するには?子どもたちはSNSの活用やインフルエンサーを巻き込むなど、大人からは出てこない新しいアイデアを発表してくれました。その後はhakken広島で加工されたドライトマトが入ったおにぎりをごちそうになり、頭もお腹もパンパンになってバスに乗り込みました。

 午後訪問したのは、広島市安佐南区にある西風新都バイオマス発電所。ここでは製品として利用できない木材をとても小さなチップにし、クリーンな電気を発電しています。そして発電の際に出る二酸化炭素を敷地内に設置した農業ハウスに引き込み、トマトやイチゴ、レモンの栽培に活用することで循環型のカーボンネガティブ化(CO2の排出量よりも、吸収するCO2の量の方が多い状態のこと)を目指しています。地球環境の問題を解説して頂いたあとで、山のように積みあがったチップ倉庫や農業ハウスを見学、そこで収穫された野菜も味見させてもらいました。
 最後に、JICA広島デスクの新庄推進員が進行役となり、自分ができる環境に優しい取り組みを考えていきました。

意見交換をすすめる新庄推進員

自分ができることを考えよう

伝統に触れ、気候変動を考える-持続可能な社会ってなんだろう-

8月2日(水)、午前中に訪問したのは福山市にある虎屋本舗。JICA中国も研修などで以前からお世話になっている創業400年の老舗和菓子店です。当日は和菓子の製造工程を見せていただき、実際に和菓子作りにもチャレンジしました。シンプルに見える材料で四季を表現する奥深さと難しさを実際に体験しました。そして、和菓子という伝統を地域に残し、さらに発展させていくにはどうしたら良いか、「和菓子をますますおいしく、さらに楽しく大作戦!」と題して、グループごとに様々なアイデアを出していきました。

和菓子作りを体験!

和菓子大作戦を考え、発表しました

 午後は同じく福山市内にある食品トレー容器会社のエフピコを訪問しました。社員の方から、プラスチックトレーの回収方法やその割合、回収されたトレーが工場内でどう分別され、新しい商品に生まれ変わるのか、回収されないものがどうなるのか、などを教えて頂きました。そして、プラスチックトレーのリサイクルが地球環境の問題にどうつながるかも学んだあと、実際に分別の工程などを見学しました。当日は猛暑日、短い距離を移動するだけでも汗が噴き出る気温でした。あまりに大きな問題に思える地球温暖化と目の前の大量のトレーが実は密接につながっていることを実感しながら、自分たちに何ができるかを考えていきました。

回収されたトレーの山の前で

SDGsのゴールを意識して出来ることを考えよう

 JICA中国はこれからも、地域の様々な企業や団体と協働して、持続可能な未来を担う子どもたちの学びの機会をサポートしていきます!

関連リンク:
2023年4月23日放送
(79) SDGsに特化したスーパー「ゆめマート西条」を社会科見学 「ゆめマート西条」の取り組みをSDGsに当てはめると…? - YouTube

2023年5月28日放送
精米機メーカーの「サタケ」を社会科見学!子どもたちのアイデアでお米の消費量を増やせる…!? - YouTube

2023年6月25日放送
廃棄野菜の商品化に取り組む「hakken」を社会科見学!規格外野菜を廃棄しないための子ども達のアイデアは‥? - YouTube

2023年7月16日放送
編地球に優しい再生可能エネルギー発電を行っている「西風新都バイオマス発電所」を社会科見学!環境のために自分たちに何ができるのか? - YouTube

2023年8月27日放送
(79) 伝統技能と日本の伝統文化の継承に取り組む「虎屋本舗」を社会科見学!和菓子を次世代に伝え、拡げていく方法を考えました! - YouTube

2023年9月24日放送
使用済み食品トレーを再び容器に再生へ! 「エフピコ方式のリサイクル」の拡大に取り組む「エフピコ」を社会科見学!身近な食品トレーを通して、SDGsについて考える - YouTube

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