【実施報告】国際フェスタ2023/フリージャーナリスト 堀 潤さんが広島で語る、取材で見た紛争地の様子

2023.12.08

「国際社会」とは…

ウクライナ・ロシア、パレスチナ・イスラエル、スーダン、イエメンなど世界の紛争地域での取材に取り組む、フリージャーナリストの堀 潤さんに、ご自身が取材された現地の様子や、普段、テレビ等で報道されていない地域で生活している人たちの様子などをテーマにお話いただきました。

ご自身が取材したパレスチナのガザ地区やスーダンなどの現場で撮影した映像、オンラインでインタビューした写真や映像は言葉だけでも多くのメッセージを参加者に伝えていました。

その中で、スーダンの子どもを写した1枚の写真がありました。
まっすぐ、ただまっすぐにカメラを見つめている1人の子ども。おそらく小学生にもなっていない子どもだと思います。
生まれてから今まで、日本にいる私たちが想像できないような怖い経験をたくさんしてきたであろう、その子が見つめている目には、堀さんと青空が写っていました。
スーダンでは、とてもきれいな青空を見ることができるそうです。
今、現地で行われていることと、とてもきれいな青空のギャップに、言葉を失いました。

堀さんはおっしゃいました。
「取材をする中で『国際社会』とは何でしょうかと聞くようにしています。パレスチナ・イスラエルの戦闘を見ていると国際社会とは何なのか答えるのが難しい問いと感じる人も増えています。それでもこの問いを聞き続けています。今日もオープニングイベントで書道パフォーマンスをしてくれた大学生に同じ質問をしました。彼女たちは『国際社会とは私たち一人ひとりのことです』と答えてくれました。私たち一人ひとりが世界の紛争に他人事ではなく考えていくことが大事です」

堀さんのお話、映像、写真にぐっと引き込まれた、あっという間の1時間でした。

ご自身が撮影された映像を投影しながら話される堀 潤さん

広島デスクと対談しながら取材もする堀 潤さん

小さな力でも変えられる未来がある

後半は、堀さんとJICA広島デスクの新庄推進員との対談を行いました。きっと、皆さんが抱くであろう質問を、新庄推進員から堀さんに尋ねてみました。
個人でもSNSを活用して様々な発信ができる昨今、堀さんとして発信の工夫はどうしているのかという問いには、「誰しもが何かの当事者である」ということを意識しているとお話してくださいました。広島出身であったり、外国人であったり、ジェンダーであったり…と人は何かしらのマイノリティーや社会問題の当事者です。そこに訴えかけると他の事象も自分事にしやすいとわかりやすく説明してくれました。
また、堀さんの言葉の中で、印象的な言葉がありました。
「小さな力でも、変えられる未来がある。今、ここで、私たちが行っていることは、本当に小さな力で、その結果がいつ出るのか、本当にわからない。でも、確実に変えられる未来がある。だから、今、世界で起こっていることを知っていて欲しい。知ったことを、色々な人に話して欲しい。知っていて、伝え続けることが未来を変える力になる」。
今まさにウクライナとロシア、パレスチナとイスラエルで戦闘が起こっている状況の中で、日本にいる私たちが何ができるのだろうかと思っている方も多いと思います。「知ること」だけで何を変えられるか感じづらいかもしれませんが、知ってからの行動は同じ行動でも意味を持った行動になります。堀さんからは、興味をもって世界を「知ること」の大切さを教えていただいたと感じました。

参加者からは、
・1つの紛争・災害を覚えていられないほど、次々世界各地で様々な出来事がある中、メディアの人の視点で国際協力や世界の今を考えることができた。
・「知る」、「責任」。一人ひとり、同じ世界に生きるものとして、想いを持って、伝え続けたいと志高くなりました。
・世界のリアルな姿・人の映像やお話を通して、改めて平和な世界になって欲しいと思いました。私も国際社会の一員として、自分でできることを実行に移していきたいと思います。
などの感想をいただきました。
  
皆さんにとって、自分ができること、行動に移す方法について考える機会になったのではないでしょうか。

楽しく世界とふれあおう!

この日の国際フェスタでは、JICA中国主催の体験型ブース「地球ひろば」を出展しました。
民族衣装や缶バッジ作りの体験コーナーのほか、帰国直後の協力隊経験者が派遣国の民族衣装姿で参加して派遣国を紹介するコーナーや、協力隊なんでも相談コーナー、原爆展などの資料展示コーナーを開催しました。
トークショーを終えた堀潤さんも地球ひろばに立ち寄っていただき、協力隊経験者から丁寧にお話を聞いていました。
地球ひろばには、抱っこした赤ちゃんも一緒に、家族全員で民族衣装と小物を持って写真撮影する人たち、鮮やかな色で描かれたアフリカ布のデザインにあれもこれもと目移りしながら缶バッチを作る子どもたちが参加し、気軽に世界と触れ合うことができた1日になったことと思います。来年も、また、皆さんが気軽に世界とふれあうことのできる場を作りたいと思います。
今年、参加された方も、参加されなかった方も、来年の企画をどうぞ楽しみにお待ちください (^_-)-☆

「わたし おひめさまよ^^」民族衣装を試着して、おひめさまになりました。

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