第3回JICA研修員の学校訪問　学校法人東広島中央学園　西条幼稚園

　今回、「学校訪問」としては初めて、幼稚園を訪問しました。訪問先は、JICA中国センターからほど近い、西条幼稚園です。訪問したのは、モルディブとヨルダンから来日し、地方行政について学んでいる10名の研修員です。行きのバスの中では、少しでも園児たちに伝わるようにと、みんな、何度も繰り返して、自己紹介の練習をしました。「ワタシは　シャフューです。」それぞれ繰り返し練習しましたが、それでも足りない様子。スマートフォンの翻訳アプリを駆使して、準備は完璧です。
　幼稚園では、園児たちが、先生からJICA研修員の訪問を聞いてとても楽しみに待っていました。園に着くと、研修員の到着に気付いた男の子から「きた！きた！」の声。あらかじめ教わっていたアラビア語の「マルハバン（ようこそ）！」と言ってくれる子もいて、研修員たちの緊張が一気にほぐれました。
　園長先生から歓迎のご挨拶をいただいた後は、いよいよ年長さんクラスとご対面。かわいい園児たちが笑顔と拍手で歓迎してくれました。研修員たちは、教室の前方に座って、西条幼稚園の園歌を聞かせてもらいました。

　次は研修員の番です。練習した自己紹介を終えると、それぞれのお国の簡単な挨拶を教えました。モルディブとヨルダンの言葉は、似ているものもあれば、少し違う言葉もあります。「Thank you.」「しゅっくらん！」「しゅーくりあ！」カタカナは、まだお勉強中の園児たち。平仮名で書いたものを見せると、最初は恥ずかしがっていた園児たちも、すぐに言えるようになりました。
　お国紹介では、マルカさんが持ってきたモルディブの写真を見せながら、園児たちに問いかけます。「モルディブは　うつくしい　うみに　かこまれています。どんな　いきものが　いるとおもう？」と聞きました。「くじら！」「はい、いますよ。ほかには？」「さめ！」「さめもいます。それから　 ウミガメも　ゆうめいです。」ヨルダンのブシュラさんは、「ヨルダンで　ゆうめいなのは、おおきな　いわの　おしろです。」と世界遺産ペトラの写真を掲げてみせました。「とーっても大きいの！」英語と身振り手振りで説明しました。　担任の先生が協力してくださったおかげで、みんな無事にお国の魅力を伝えることができました。
　研修員への質問カードを用意したクラスもありました。「すきな　たべものは　なんですか？」の問いに「フライドチキン！」「ツナが　すきです。」とそれぞれ回答。ヨルダンのサミアさんは「ごはんが　すきです。」ちょっと意外なものを教えてくれました。「はしるのは　はやいですか？」といった幼稚園児ならではの質問もあり、「うーん、ふつうかな。」研修員は真剣に答えていました。

　午前中の活動が終わると、お弁当の時間です。手を洗うと、お当番さんが前に出て「♪おべんと、おべんと、うれしいなー♪」の楽しい歌が始まりました。園児と一緒に食べる、お昼ごはんです。園児たちのいろどりの良いお弁当を見せてもらいながら、お弁当を食べ終わると、あっという間にお昼の自由時間になりました。
　ほし組と一緒にお弁当を食べたアダムさんとシャフューさんの周りに、男の子が群がっています。スマートフォンのアプリを使って、園児たちをウサギやネコに変身させているのでした。面白い画像にみんな大笑い！あっという間に園児の心をつかみました。先生が「教室から外に出てもいいですよ。」と声をかけると、「ぼくが　ようちえんの　おもしろいところを　みせる！」男の子たちが二人の手を引いて園を案内してくれることになりました。さすが年長さん、西条幼稚園を全部把握しています。先生に鍵を開けてもらって屋上に行ったり、図書室やお遊戯室を案内してもらったりして、即席の西条幼稚園ツアーとなりました。

　午後の活動では、一緒に折り紙で紙風船を作りました。折り方が分からず迷っていると、園児が折り紙の先生を買って出てくれました。仕上げに息を吹き込むと紙風船の完成！モルディブやヨルダンでも折り紙の文化はありますが、研修員にとって風船を折るのは初めて。「バルーン！」自分で作った紙風船を投げたり、手で打ってみたりして、園児と一緒に楽しみました。
　あっという間に降園の時間です。外に出てみると、「バイバーイ」と元気な声があちこちから聞こえてきました。たくさんの園児に見送られて大感激。「とても心に残ったよ！」と大満足な様子で園児からもらった手紙を見せ合っていました。西条幼稚園のみなさん、ありがとうございました。