2023年度JICA北海道教師海外研修キルギス現地研修が無事終了しました。

2024.01.26

今年度からまた海外研修が再開しました!

募集要項パンフレット

教師海外研修とは、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある教員が国内研修、現地研修を通して、現状・課題、日本との関係、国際協力の意義などについて理解を深め、その知見をもとに教材を作成し、所属校で授業実践する研修です。
コロナ禍で2年間国内研修として実施していましたが、今年度は2019年ぶりに、2023年12月24日(日)-28日(木)キルギスで現地研修を行いました。その時の様子をレポートします。

現地研修1日目

キルギス人も食べる派と食べない派に分かれている「食べられる土」

現地研修1日目は、首都ビシュケク市民の生活を支えるオシュ・バザールを中心に視察しました。食料だけでなく、衣服や民族楽器までなんでも揃うバザールで「これは何だろう?生徒に見せたいなぁ」「教材として使ったら面白い授業になるかも」「こんなの日本で手に入らない!」と爆買いする先生方。
チーズだと思って買った物が「食べられる土」だったという後日談もあります(笑)

キルギス語でコミュニケーションを取る協力隊員(右)と参加教員(中央)

バザールを案内してくれたのは、現在活躍中のJICA海外協力隊員。キルギス語で現地の方々とコミュニケーションを取る隊員の姿が印象的でした。
そんな彼らの姿に心を打たれた教師海外研修の先生方。日本から丸一日以上かけて移動したため、疲労も相当でしたが、現地の様子や文化だけでなく、人の温かさにも触れた一日となりました。

現地研修2日目

原口専門家によるOVOPのプレゼンテーションの様子

川合隊員による英語の授業後の一枚

まず、OVOP(一村一品)センター訪問からスタート。特産品づくりによる様々な課題解決の全体像について原口専門家から説明を受けました。
次に、中島コンサルタントから、キルギスの食と健康についての現状と課題について話を聞いた後、実際に国立循環器治療センターを訪問。副院長がセンターを案内し、キルギスの医療の現状と各国からの支援についての説明を実際に使用されている医療機器を実際に見ながら聞きました。

そして午後からは、いよいよ一つ目の学校訪問!ビシュケク第24番学校に行きました。この学校には、川合隊員と浅羽隊員が青少年活動のため派遣されています。生徒によるキルギスの伝統的な歌やダンスで熱烈な歓迎を受ける中、川合隊員が民族楽器「コムズ」で演奏し、浅羽隊員が現地語の歌を歌う出し物も披露。現地に完全に溶け込んでいました!授業を参観させてもらった後、生徒・先生たちとの意見交換の時間もあり、学びが盛りだくさんの一日でした。

現地研修3日目

羊毛フェルトを使ってスリッパを作っている現地の女性たち

ユルタの中にいたら、ペットのワンちゃんも入ってきました!

現地3日目は、首都ビシュケクを離れ、郊外のOVOP(一村一品)ワークショップの視察からスタート。特産品づくりの現場にて、社会進出に一歩踏み出した生産者の女性たちからの生の声を聞かせていただきました。
羊毛を使った工芸品を「これを使う人はどんな人なんだろう。きっと幸せ者ね。」と考えながら作っていると教えてくれました。
教師海外研修に参加した先生をはじめ、同行したJICAスタッフも羊毛工芸品をたくさんお土産に買ったので、私たちは幸せ者です!

午後はクズルトゥー村の民家で、食文化を体験しました。レストランのメニューではなく、キルギスの食卓ではどんなものが食べられているのかを知る貴重な機会になりました。食後は、キルギスの伝統的な住居のユルタの制作体験も行いました。1時間ちょっとで完成したユルタ。簡単そうに組み立てていたけど、慣れていない人が作ると4時間以上かかります…。ユルタの中は快適で、気に入ってミニユルタを購入した先生もいました。

現地研修4日目

原隊員と生徒のみんなで集合写真

ブラナの塔をドローンで撮影

現地4日目のメインは、高度1800mのコチコルのアラバエフ学校へ訪問しました。おもてなしの国キルギスならではの熱烈歓迎を受け、原さやか協力隊員による英語の授業見学を行いました。また、教師海外研修の先生方がキルギス訪問までにそれぞれ練習を重ねてきた出し物で子どもたちと交流をしました。

その後、都市部に帰る前に2014年に登録された世界遺産構成遺跡『ブラナの塔』を視察しました。
急な階段を上って塔の上に到着。そこから見えるのは壮観なシルクロードの眺め。JICAスタッフのドローンで写真を取りました!キルギスのはるか昔の様子に思いを馳せ、この日は首都ビシュケクに戻りました。

現地研修5日目

キルギス天才日本学校の生徒たちと

ハウスで色々な植物の研究を行っていました

午前はキルギス天才日本学校を訪れました。質の高い教育内容もさることながら、給食や掃除などの日本の学校のシステムを取り入れたり、日本語を幼稚園の頃から学び続けられたり。将来的に海外を目指す子やキルギスに貢献したいと願う子たちが熱心に学んでいる姿が印象的でした。ここでは普段子どもたちが食べているおいしい給食も体験させてもらいました。

午後からはJICA草の根技術協力の有機農業プロジェクトに取り組むキルギス農業大学の視察に行きました。研究施設を見せていただき、キルギスの産業課題や将来の展望などについて学生たちと意見交換しました。以前、士幌で出会った学生との再会もあり、心温まる時間でした。
そして最後に、この現地研修の総括としてJICAキルギス事務所を訪れ、参加者一人一人の今回の収穫や授業構想について報告しました。

残すは派遣後研修!

派遣前研修・キルギス現地研修が終わり、次は派遣後研修です。教師海外研修の先生方はキルギスで得た素材を元に授業を作成中。アドバイザーの先生の指導の下、授業の検討会や所属校での授業実践、成果報告会などが予定されています。成果報告会は、作成されたキルギスについての授業を発表する場ですので、ご興味のある方は是非、ご参加ください!(オンライン実施)詳細は、HPで追ってお知らせいたします。

アラトー広場で集合写真

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