埼玉・共栄大学のゼミ生が株式会社「サナ」を訪問しました!

2023.08.10

“におい対策のプロ”がJICAの民間連携事業でベトナム国で行った養豚産業に関する環境問題への取り組み、そして実際に一瞬でいや~な臭いが消える実験をしてくださいました!

訪問の背景

「くさっ!」硫化水素が溶け込んだボトルの臭いをかぎ、顔をしかめる学生。そこへ一滴の液体を垂らすと、たちどころにすっきりとした香りに・・・。
「我が社は、“消臭のプロ”です。」そう話すのは、埼玉県所沢市にある株式会社サナで代表取締役を務める秋山さん。今回、7月6日に同社を訪問したのは共栄大学(埼玉県春日部市)国際経営学部、小林ゼミの皆さん(17名)です。小林ゼミでは、開発途上国の貧困問題や開発協力そしてSDGsについて学んでいます。
株式会社サナは飲食店のトイレの消臭剤の製造から始まり、排水処理、悪臭対策、浄化槽管理、農業(畜産)の4分野に関わる問題に対し、自然環境を守る製品を開発・販売しています。
今回は、同社がJICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業で行ったベトナム国の環境問題への取り組みと日本国内での事業概要についてお話を伺いました。

においの実験で、においの元を混ぜる秋山社長

ベトナム国で行った民間連携事業とは?

ベトナム人は豚肉大好き、一人当たりの豚肉消費量は世界9位、輸出量も増加しています。そのため、豚の飼育頭数も増加していますが、他方で養豚場からの排水による水質汚濁、糞尿などによる悪臭問題が発生しています。その原因の1つとして、養豚農家が未処理の糞尿を用水路に直接流していることがあります。株式会社サナが製造・販売している補足用混合飼料HZ-PROは自然な形で豚の腸内環境を整えることで健康増進、抗病力強化、生育・成長を促すと同時に糞尿の悪臭や有毒ガスを抑制します。HZ-PROを与えた豚の糞尿には発酵床豚舎に必要な微生物が含んでおり、発酵床豚舎に撒いたおが屑と混ざることで、悪臭が減り、豚舎の維持管理に係る経費が削減されるなどの効果が期待できます。同社は、JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業を活用し、「ベトナム国栄養補足用混合飼料を活用した持続可能な養豚産業構築のための案件化調査」(2022年~2023年)を実施し、HZ-PROのベトナム国での適合性について確認を行いました。畜産研究所や地方自治体などから高い関心を得ることができ、今後HZ-PROを用いた現地でのパイロット事業を実施予定です。ビジネスを実現することでベトナムの環境問題の解決に大きく寄与することが期待されています。

講義風景

嫌な臭いが一瞬で無くなる!!

講義の後は研究所の見学と、においの実験を行いました。研究所では、装置や器具について丁寧に説明をいただきました。そして、においの実験では嫌な臭いのする水溶液に自社製品の消臭液を垂らすと、一瞬でとてもいい匂いに変化しました。最初は悪臭から鼻を遠ざけていた学生たちも、においが変わった瞬間に目を見開き何度も何度も、匂いを嗅いでいました。
秋山社長は、「においには相性があり、何通りもの実験を重ねることが必要です。」と、トライアンドエラーを繰り返すことの大切さを伝えました。医療や介護の現場では、臭いに関する課題があり当社の製品を利用することで介護者の負担が少なくなるような工夫がされています。
お客様に寄り添い、現場に合った解決策を提案していることがよくわかりました。
参加した学生からは、「普段日本で生活しているだけでは気づけない問題が色々な分野であり、今後生活していく中で新しい視点から物事を見てみることも大切だなと思いました。」という感想をいただきました。
今回お忙しい中、企業訪問を受け入れて下さりありがとうございました!

研究所見学の様子

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