【報告】高校生国際協力実体験プログラム2023(栃木県)開催

2024.01.11

【日程と参加者】

日時:12月16日(土)9:30~16:10
場所:とちぎ国際交流センター
参加者:高校生31名(栃木県内の9校から参加)

【概要】

JICA筑波は、栃木県内の高校生が、「持続可能な開発目標(SDGs)」の視点から開発途上国のおかれている現状や日本の国際協力についての理解を深めることを目的に、「高校生国際協力実体験プログラム2023」を開催しました。 参加者は、SDGsワークショップ、JICA海外協力隊の体験談などからSDGsについての理解を深め、自分たちに何ができるのかを考え、「行動宣言」を発表しました。当日の様子をご紹介します。

【SDGsワークショップ】

はじめに、こども国連環境会議推進協会事務局長の井澤友郭さんのファシリテートのもと、SDGsワークショップを実施しました。ワークショップでは、グループディスカッションやレゴブロック作品の制作を通して、高校生にも浸透しているSDGsをさらに「自分ゴト」に近づけ、個人の範囲を超えた行動につなげていけるかを考える時間となりました。答えのない問いに対し、お互いの意見や価値観を受け止め合いながら、日本や世界の課題とその解決のための行動について理解を深めました。

<SDGsワークショップを行う井澤講師>

<ブロックの作品について説明する参加者>

【JICA海外協力隊体験談】

ネパールにJICA海外協力隊として派遣され、村落開発普及員(現:コミュニティ開発)隊員として活動した大貫文さんから、海外協力隊の体験談が語られました。大貫さんからは、高校生以降のライフヒストリーも含めた協力隊に参加したきっかけや、現地での活動、派遣中や帰国後に国際協力やSDGsについて考えたことが紹介されました。現地での経験については、地域の状況を踏まえて有効な活動を行うことの難しさや、ネパールに多様な民族が生活していること、既に廃止されているカースト制度の影響が残っていることなどが説明されました。そして、異文化で活動する際には、常に「なぜだろう」、「本当に必要なのか」など疑問を持ち、相手の文化や価値観を尊重する意識が大切であることが、メッセージとして伝えられました。質疑応答も活発に行われ、高校生たちは行動を起こすことについて、より深く考える機会を得たようでした。

<JICA海外協力隊の体験談の様子>

【SDGsの課題解決のための行動計画 ~私たちができること~】

全体のまとめとして、SDGsの課題解決に向けて自分たちができる具体的な行動計画を考えました。学校ごとに取り組みたいSDGsのゴールを選択し、その背景にある課題は何か、ゴールの達成のためにどのような行動ができるのか議論しました。それに際しては、個人の範囲を超えて、学校や地域でできることはないかという視点を大切にして考えました。最後に、それぞれの結果をポスターセッション形式で発表し、異なる視点やさまざまな手段があることを学び合っていました。
今回のプログラムを通して学びと経験を得た高校生が、持続可能な社会の創り手として、学校や地域など、さまざまな場所でアクションを起こしていくことを期待しています!

<行動計画作成のディスカッション>

<作成した行動計画の発表>

【参加者の感想】

・ぼんやりとしたイメージしか持っていなかった「SDGs」を深く考えることで、より身近なものであるという実感を得ることができた。
・広い世界を知り、視野を広げるという目的を果たせたうえ、より自分に足りないことや必要なことを知ることができた。また、協力隊に興味を
 持ち、将来なりたいと思った。
・SDGs達成のための行動計画作成で、1メートル以内にとどまらず、「誰の」、「どこで」などを明確することで、具体的になり考えやすくなる
 ことが、自分で計画を立てて分かった。問題を知って考えて終わりではなく、「知る・考える・行動する」を意識したい。
・自分のしたいことは何か、そのために逆算すると色々なことをしてみたいと思った。協力隊体験談では、自分でも色々できることはあるかも
 しれないと考えても、相手の意見も聞かないと本当に必要なのかわからないことを知った。自分のできることをもっと周りを巻き込んで行動
 して良いと分かり、自分でも課題を見つけて、考えて、行動することを心がけたいと思った。
・探求学習の良い進め方、考え方を聞くことができ、来年の本格的な学習に繋げていけると思った。

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