【2023年度 教師海外研修】ブラジルでの研修を終え、帰国しました

2023.09.22

神奈川県と山梨県の先生方10名がブラジル連邦共和国で2週間の海外研修を終え、2023年8月12日(土)に帰国しました。

今回の海外研修は「多文化共生と移民」をテーマに、現地学校の視察、日系社会青年海外協力隊の活動視察、日系コミュニティでの交流、草の根技術協力視察を中心に、14日間の行程で行われました。

現地では8件の学校を訪問しました。そのうち2校は日系社会青年海外協力隊員が活動している学校で、協力隊員の授業を見学することができました。児童生徒との交流の時間がある際には、参加者たちが簡単なポルトガル語、英語、そして時には日本語でコミュニケーションをとりました。

通訳を介しての質疑応答では、「あなたのヒーローは誰?」「社会の格差についてどう考えますか?」「多文化共生についてのイメージは?」など多くの問いを投げかけていました。

また、現地の先生方とのディスカッションでも、「肌の色や人種の違いによっていじめはないのか」「学校では躾はどの程度するのか」「教員として大切にしていることは何か」など深い話ができたようでした。日本とは歴史的にも社会的にも文化的にも異なる点があるブラジルで学校訪問をすることができたことは、参加者にとって非常に貴重で新鮮な経験となったようです。

公立学校にて環境教育の授業を見学

子どもたちとの文化交流。日本語で名前を書いてプレゼント

サンミゲルアルカンジョ市のコロニアピニャールでは、日系コミュニティ交流としてホームステイ体験をしました。日本からブラジルに移住してきた家族の歴史や、当時の困難、現在の葛藤、それらを経て得られたことなど、多くを語り合うことができたようでした。参加者たちは、「日本の反対側」のブラジルに日本的な風景や日本を思う人たちが多くいることに感激し、そのことを日本の子どもたちにも伝えようという使命を感じたようです。

日系社会ボランティア活動視察。低学年の授業にお邪魔して「じゃんけん列車」を一緒にしました

日系コミュニティ交流。美味しい食事や子どもたちからの和太鼓演舞で歓迎していただいた後、ホームステイへ

また、日本の交番制度を取り入れた「地域警察活動プロジェクト」の地域も視察しました。交番を設置した地域では、以前より犯罪が減り治安が良くなったと聞きました。交番に隣接する建物や公園で地域住民の交流が多くなったことや、警察官による家庭訪問などが理由にあげられるそうです。参加者たちは、日本の国際貢献について学び、協力や支援についても考えることができました。

視察の他に現地では、先生同士での振り返り会も行われました。訪問先で得た情報や疑問に思った事、抱いた違和感などを共有し合い、付箋や模造紙を使って可視化しました。移動のバスの中でも活発な意見交換がされるなど、参加者同士での学び合いの姿勢が研修をより良いものにしていました。

参加者たちは、これから「多文化共生と移民」をテーマに、参加型学習教材(ワークショップ)を作成し授業で活用していきます。授業実践やワークショップの内容は、後日HPで公開します。なお、研修の最終報告会を、2024年2月に予定されている「SDGsよこはまCITY」の分科会で行う予定です(JICA横浜のHPでお知らせいたします)。

現地での振り返り会では「事実(情報)」と「感情」を分けて共有し合いました

アマゾン熱帯雨林地帯にて自然界の多様性を実感。INPA(国立アマゾン研究所)で猿を発見!

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