【実施報告】国際理解教育/開発教育 教員セミナー(応用編)

2024.02.29

【応用編】1月13日(土)・14日(日)

2024年1月13日・14日に、JICA横浜センター主催「国際理解教育・開発教育 教員セミナー(応用編)」を開催し、神奈川県・山梨県内の小中高等学校の教師23名にご参加いただきました。本セミナーは、国際理解教育・開発教育の指導者としての技術・能力の向上を図ることや参加者同士のネットワークの構築をねらいとして、毎年行われているものです。

今回は、「学ぶ・作る 参加型学習」をテーマとして、1日目には、指導者が一方的に教えるのではなく、学習者が主体的に参加する学習方法についてコツや注意点を学び、2日目には動画を活用した参加型学習の授業案を作成する内容でセミナーを行いました。

国際理解教育・開発教育と参加型学習

まず、参加者同士でグループにて自己紹介を行った後に、「開発教育の実践についてよくある悩み」を共有しあいました。特に今回のセミナーのテーマである「参加型学習」については、授業後の社会参加につなげるのが難しいなど、多くの悩みが挙がっていました。

その後、かながわ開発教育センター(K-DEC)代表の山西優二氏(早稲田大学)より、「開発教育・国際理解教育と参加型学習」と題し、開発教育の目標構造からはじまり、参加型学習の定義、そして参加型学習のあとに目指したい社会参加について丁寧に解説いただきました。

参加者からは「参加型学習がどのようなものかが、以前より広く深く学ぶことができ、生活含めいろいろなことが繋がっていることに気づくことができました」「参加型授業というと、体型や手法などが浮かびがちだけれど、実は社会参加の1つであり、対話であるということ。私達は日常的に社会に参加している、"社会参加"しているのだということを学びました。」などの声が寄せられ、参加型学習について改めて捉えなおすことができた様子でした。

山西優二氏の講演の様子

映像を使ったワークショップを体験・動画紹介

午後は、K-DECの皆さまより、映像を使ったワークショップを実施いただきました。ワークショップでの参加者同士のディスカッション等を通じて、映像を活用した参加型学習の実践にふれることができたようでした。

ワークショップだけではなく、開発教育にて活用できる動画を複数ご紹介いただき、2日目の動画を活用した授業案づくりに向けて、具体的にイメージが膨らむ時間となりました。

その後、1日目の学びのふりかえりを実施しました。本セミナーは2日間のプログラムで実施され、2日目には1日目の学びを生かしながら、参加された先生方同士で授業案を作成します。2日目の授業案づくりに向けて、「今日のお宝」と題して、気づきを2つずつ出し合って、学びのふりかえり、気づきの整理を行い、無事に1日目が終了しました。

動画紹介の様子

1日で生み出された様々なアイディア

2日目は、1日目のふりかえりなどをもとにしながら、動画を活用した参加型学習の授業案づくりをする1日となりました。まずは、作成する授業案で目指す目的について確認し、5つのグループに分かれ、1日目の基調講演やワークショップなどの情報をもとに、白熱した議論を交わしながら、授業案を作成しました。

最後には、各グループがつくった授業案の共有が行われました。1日目に体験したワークショップの別バーションのアイディア、その場で先生たちが動画を撮影し小学校低学年を対象とした授業案など、それぞれのユニークなアイディアが共有され、楽しくもあり、また学びの深い時間となりました。

2日間のセミナーの終わりには、セミナーを通してのふりかえりの共有を行い、全プログラムが終了となりました。セミナー全体を通しての学びや今後の学校現場での実践について考えることができる、貴重な時間となりました。参加者からは、「動画を使う授業案はすごく難しかったですが、その話し合いの中で、たくさんの発見がありとても勉強になった」「話を聞いたり、意見を言ったりする中で、個人的に沢山思考が働き、こんなことしてみたいな、何かできそうなことはないかな、と前向きにこの先の授業を考えられる時間でした」などの感想が寄せられました。

ご参加された皆さんが、本研修での学びや気づきを自分の知識とし、今後の授業等で実践されることを期待しています。

作成した授業案の発表の様子

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