オンラインで救難・環境防災コースのフォローアップを実施しました

2024.03.15

JICAでは、途上国の海上保安分野の実務者を対象に、1982年度から救難、環境、防災の分野のコースを実施してきました。現在JICA横浜で実施中の「救難・環境防災」コースは、課題別研修コースの中でも歴史が長く、マレーシア、インドネシア、ベトナムといったアセアン諸国やアフリカ諸国を中心にこれまでに65か国、579名の研修員受入れ実績があります。

コロナ禍の影響を受けて、多くの課題別研修が研修を取りやめた時期にも、海上保安庁や研修委託先の協力を得てオンラインでの遠隔研修を実施し、毎年度世界各国の要望に沿った形で研修の実施をしてきました。

コロナ禍を乗り越え訪日研修が再開された今、一人でも多くの研修員に日本で実地の経験を積んで欲しいと願う一方、受入人数を大きく増やすことは難しい中、遠隔研修の成果を実感した研修関係者が協力してオンラインでのフォローアップ研修を行う事になりました。

オンラインによる課題別研修のフォローアップは未だ実施例が少ない中、試行錯誤で取り組み、結果的にコロナ禍でのオンライン研修参加者を含む過去5年度間の帰国研修員86名を対象に全3回(各1時間半)のフォローアップ研修を実施することができました。帰国研修員のみならず、所属先の同僚職員の参加もあり、全体で56名の参加者とオンラインでつながりを持つことができました。

参加者からは、JICA課題別研修を修了した後の近況報告や、「ブラッシュ・アップの機会に感謝」、「油防除の担当者以外にも解り易い講義・資料だった」、「是非、定期的に開催してほしい」など、今後につながるコメントもありました。今回のフォローアップ研修には、海上保安庁や当該分野を担当する本部社会基盤部の参加もあり、非常に有意義な内容となりました。

今回の研修では、今年度の研修を実施した公益財団法人海上保安協会職員がモデレーター役となり、研修コースの実習の目玉の1つである、海水・湖水などに流れ出た油分を取り除く「油防除」の実習時の動画を教材の一つとして取り入れました。また、我が国唯一の油防除訓練を実施している「一般財団法人海上災害防止センター」が講義を実施し、救難・環境・防災の様々な分野で活躍をしている帰国研修員が、研修で得た知識を同僚と現場で共有できる解り易い資料も作成しました。このように、オンラインでありながら現場感が良く伝わる研修となりました。

今後は今回実施したオンラインでのフォローアップ研修を継続的に実施し、帰国研修員の人的ネットワークの構築・維持を通じて自由で開かれたインド太平洋地域の更なる連携強化に貢献出来ればと考えています。

対面オンラインフォローアップ研修風景

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