INPPの卒業生を訪ねて(2):「僕の商売道具」

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MUSUNGAYさんのお店の様子

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将来への希望を込めて「Hopeful.com」と名付けた

MUSUNGAYさんは、2011年にINPPでビデオ制作を勉強した。小さいお店に入って行くと、彼の商売道具が並んでいた。お客さんの注文でビデオの編集等するそうだが、時にはテレビニュースの編集等も持ち込まれるとか。高校を卒業後、2年半程、携帯電話のプリペイドカードを売ってお金をためてINPPで訓練を受けたそうだ。「この先はどうしたいの?」という質問に、「実は今、大学に通ってコミュニケーションを勉強している」と、ちょっとはにかみながら答えてくれた。商売をしながら学生を続けるのは大変だと言う。本業は、月に100〜200ドルの売上だが、それだけでは生活費と学費の捻出は大変だと、ため息混じりに教えてくれた。とても物静かで、ちょっと内気な印象だが、なかなか芯のしっかりした人だ。

「職業訓練=落ちこぼれ」という社会イメージはコンゴでも根強い。しかしINPPの訓練はもともと企業で働く在職者を対象としたプログラムであった。時代が変わり今では就職に少しでも有利になればと高校を卒業した若者が多く集まってくる。中には工科大学を卒業した人たちも珍しくない。

INPPでは、起業した卒業生を招いて、在校生に対しセミナーを開催している。卒業後、仕事が見つからず、あきらめて家でぶらぶらする者の方がはるかに多い。起業した卒業生が呼びかける、「会社が雇わないなら、自分で仕事を始めればいいのだ」「うちでインターンを受け入れるよ」、頼もしい先輩達に続いて欲しい。