JICAスタッフによるブログをはじめる理由

今年度、約10年ぶりにJICA公式ウェブサイトのリニューアルを実施中です。実施中というのは、まだ部分的だからです。約8万ページと、膨大な量の情報を段階的にリニューアルして行くので、すべてのリニューアルが完了するのはもう少し先になります。

リニューアルにあたっては、いくつもの課題に取り組んでいますが、とりわけ①分かりやすさ、②アクセシビリティの向上、③役に立つ情報の共有の３点を重視しています。

一つ目の「分かりやすさ」には、情報そのものの分かりやすさと、ウェブサイト自体の分かりやすさがありますが、特にリニューアルにあたっては、後者のユーザーにとっての使い勝手の良さを意識しました。

以前のウェブサイトを訪問して下さった方の中には、欲しい情報に到達するまで、ウェブサイトの中をあちこち彷徨われた方もいらっしゃるかと思います。実は、JICAで働く者でさえ何クリックもして深いところまで行かないと、欲しい情報にたどりつけないことにストレスを感じる時がありました。そこで「ホームページから3クリックで欲しい情報にたどりつけるようにする」というとても高い目標を掲げ、サイト構成を考えました。実際には３クリック達成はそう簡単ではありませんでしたが、以前に比べると、かなり改善したと自負しております。いかがでしょうか。

二つ目の「アクセシビリティ」は、障害のある方や高齢者も含め、ウェブサイトを利用するすべての人が等しく利用できるようにするというものですが、リニューアルを通じてその確保と向上に取り組んでいます。まだHTML形式以外のファイルもあるなどご不便をおかけしますが、今後もすべてのページで、公的機関に求められる基準を満たすことを目指して取り組んでまいります。

三つ目の「役に立つ情報の共有」については、説明責任の観点から必要な情報を迅速且つ分かりやすく開示するということはもちろんですが、皆さんにとって参考となる情報をもっと共有できないかと考えています。さまざまな方と意見交換していく中で、世の中に役立つJICAならではの情報をもっと提供して欲しい、というご意見も頂きました。

JICAは世界96か所に拠点を持ち、約150か国・地域で事業を展開しています。国内でも15か所の拠点を通じて、地域の皆様と開発途上国をつなぐ活動を実施しています。SDGsの達成は、JICAの活動の目的そのものでもあります。私たちが普段何気なく行っている業務で得た情報や知識が、誰かの参考になるのであれば、発信しないわけにはいかないと思いました。
そんな問題意識から、JICAが組織として、あるいはJICAで働く者が個人として、業務を通じて蓄積してきている情報や知見を掘り起こして共有する場として、本ブログ・コーナーを開設することにしました。

本ブログ・コーナーでは、それらをJICAスタッフの目線からスタッフ自身の言葉で紹介します。特定の開発途上国のお国事情や、世界や開発途上国が直面するさまざまな社会課題、国際協力を行う上で心を配っていること、その他時事テーマにかかわることなど、多岐にわたるテーマで執筆者個人の考察・分析、意見、そして思いを綴らせて頂きます。

読者の皆様に何らかの形で参考になればそれほどうれしいことはありません。