米州開発銀行(IDB)グループとパートナーシップ拡大に関する覚書を締結-中南米・カリブ地域の更なる経済回復及び社会包摂を促進-

2024.01.24

国際協力機構(JICA)は、1月23日、米州開発銀行(Inter-American Development Bank:IDB)グループと中南米・カリブ地域の経済回復及び社会包摂協力を目指すパートナーシップ枠組み「CORE」(Cooperation for Economic Recovery and Social Inclusion)の拡大に関する覚書を締結しました。

署名は、JICA本部にて、IDBグループ(注1)を代表するイラン・ゴールドファインIDB総裁と田中明彦JICA理事長との間で行われました。これにより、COREパートナーシップの下でJICAの有償資金協力の目標額は30億ドルから40億ドルに拡大され、枠組みの有効期間は2026年から2028年まで延長されました。

中南米・カリブ地域は、経済社会開発が進む一方で、格差の拡大や、自然災害に対する脆弱性、インフラ整備の遅れなどの課題を抱えています。昨今のパンデミックやウクライナ紛争等の影響を受け、中南米・カリブ地域の厳しい経済状況が続くと予想されており、貧困層の増加や所得格差の更なる拡大が懸念されます。

この覚書により、IDBとJICAは、これらの課題解決に向けて、質の高いインフラ投資の促進、自然災害への強靭性の強化(防災)、質の高い保健医療サービスへのアクセスの向上(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)をはじめとした国際保健への取り組みを強化していくことをあらためて確認しました。

COREパートナーシップは2011年にIDBとJICAとの間で締結され、両機関はこれまで再生可能エネルギー、省エネルギー、水、衛生、保健などの分野で協力を行っており、JICAは2023年末時点で累計20件(約24億ドル)の円借款・海外投融資をIDBとの協調融資として域内9か国に対して供与しています。

JICAはこれからも、IDBグループとの更なる協力を通じて中南米・カリブ地域における開発協力の推進に取り組んでいきます。

(注1)IDBグループは次の3つの機関により構成されます。①IDBは中南米・カリブ地域の経済・社会発展に貢献することを目的として1959年に設立された国際開発金融機関で、現在48か国が加盟しています。②IDB Investは、域内経済の発展寄与を目的に民間企業に対する直接的な投融資を行う「米州投資公社(Inter-American Investment Corporation(IIC))」の別称です。③IDB Labは、民間部門によるイノベーション促進を目的にスタートアップ企業等に対する投融資や技術協力を行う「多数国間投資基金(Multilateral Investment Fund(MIF))」の別称です。

署名式の様子 (右:IDBイラン・ゴールドファイン総裁、左:JICA田中明彦理事長)

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