“アフリカの課題はアフリカが解決する!” 成長する水道事業体を目指し、 アフリカ各国の水道セクターを担うリーダーがヨハネスブルクに集結 ~第2回サブサハラ・アフリカ幹部フォーラム開催報告~

掲載日:2023.03.09

イベント |

概要

イベント:第2回サブサハラ・アフリカ水道事業体幹部フォーラム
日時:2023年3月7日(水)~ 9日(金)
場所:南アフリカ・ヨハネスブルグ

主な参加者

サブサハラ・アフリカ11カ国17事業体の幹部27名を含む総勢100 名、JICA地球環境部水資源グループ

11カ国17事業体幹部の集合写真

背景・目的

2023年3月7日~9日まで、『持続的な給水サービスのための事業経営』をテーマに、第 2回サブサハラ・アフリカ水道事業体幹部フォーラム(以下、フォーラム)を開催し、11カ国 17事業体の幹部27名を含む総勢100名が南アフリカ・ヨハネスブルグに集結しました。
JICA地球環境部水資源グループでは、途上国の水道事業体のリーダーが国や立場を超え、同じ目線で互いに学びあうプラットフォーム活動の一つとして「幹部フォーラム」をアジアとアフリカ地域にて定期的に開催しています。アフリカ地域は2019年に第1回フォーラムをルワンダで開催後、新型コロナウイルス感染症の影響で開催延期となっていましたが、今般ようやく第2回の開催となりました。

【画像】

【画像】

内容

“Each one, Teach one”~より良い水道事業経営を実現するため、共に繋がり、共に学ぶ~“

初日は基調講演としてJICA地球環境部より、「1)『水道事業体成長支援』クラスターにおける成長スパイラルへのアプローチとその成果」「2) カンボジアの経営改善とパレスチナのプリペイドメーターの事例紹介」「3) JICA 事業に関連した国を超えた学びあい」について発表しました。次にルワンダ・Water and Sanitation Corporation (WASAC)の総裁代行Ms. Giseleから、第1回開催国としてフォーラムの意義や、これを契機とした他事業体との連携への発展事例等について発表があり、どちらの発表も特に今回初参加の事業体にとってフォーラムへの期待を高める内容となりました。その後、5つの事業体から好事例の取り組み発表があり、特にウガンダ・National Water and Sewerage Corporation(NWSC)による職員の能力向上のための制度やインセンティブ導入といった戦略的人材育成の取り組みと、ケニア・Embu Water and Sanitation. Ltd による資金調達の方策としての2つのブレンデッドファイナンススキーム(Output Based Aid [OBA] 及びAid on Delivery [AOD])の活用事例は、個別に意見交換や訪問をして詳細を知りたい!という希望者が殺到し、参加者の高い関心がうかがえました。

【画像】

【画像】

2日目は3つのサブテーマ「1) 給水サービスの向上とインフラ整備のための資金調達」「2) 組織による人材育成」「3) 水道事業体の事業戦略」に分かれて、直面している課題や各事業体での取り組み、解決策等についてグル-プディスカッションが行われました。また同日午後は、開催地であるヨハネスブルグウォーターの水道施設の見学や、プリペイドメーターの設置現場の視察を行いました。最終日は前日の振り返りの後、事業体毎にフォーラムを通じて得た気づきや参考にしたい取り組み、今後他水道事業体と意見・情報交換を行いたい項目をKey Takeaways (K/Ts)としてまとめ、各自発表を行いました。その後の全体まとめセッションでは、参加者代表よりフォーラムに参加した感想を発表頂きましたが、「フォーラムは自身のマインドセットとインサイトを強化する機会となった」「本フォーラムのような健全な競争が我々には必要」「お互いに教え、学ぶことが重要(Each one, teach one)」「今後も継続した好事例共有の場が大切であり、フォローアップが楽しみ」といった発言がありました。また参加者からは、幹部フォーラムを開催したJICAへの感謝や第3回フォーラムへの期待等も寄せられました。

今後に向けて

幹部フォーラムは、参加事業体間での学び合いとネットワーキングの構築・促進という機会だけでなく、JICAにとっても日頃プロジェクトを実施している関係機関、もしくは今後その可能性がある関係機関と個別に打ち合わせや情報収集を行う有意義な場であると共に、幹部の意識啓発(eye-opening)の場としての可能性がうかがえました。フォーラムは終了しましたが、今回参加者が得た学びが今後各事業体にてどのように実践されていくか、またフォーラムにて構築されたネットワークがどのように活用されていくかが重要な鍵となります。これを踏まえ、今後1年間を通じ、フォーラムの学びを活かした各事業体での事業改善やパフォーマンス向上のモニタリング、及びネットワーキング促進を目的としたフォローアップ活動を実施します。本活動が各事業体における意識や取り組みを継続的に後押しすることが期待されます。

【画像】

コーヒーブレイク中にも様々な意見交換がなされた

コーヒーブレイク中にも様々な意見交換がなされた

2日目午後の現地視察の様子

2日目午後の現地視察の様子