第4回開発銀行サミット（Finance in Commonサミット）
掲載日：2023.09.21
イベント ｜
【概要】
- イベント：第4回開発銀行サミット（Finance in Commonサミット）
- 日時：2023年9月4～6日
- 場所：コロンビア・カルタヘナ
- 共催：ラテンアメリカ開発金融機関協会（ALIDE）、米州開発銀行（IDB）、コロンビア貿易銀行（Bancoldex）、ラテンアメリカ開発銀行（CAF）、欧州投資銀行（EIB）
- 後援・協賛：西国際開発協力庁（AECID）、フランス開発庁（AFD）、伊預託貸付公庫（CDP）、国際農業開発基金（IFAD）等
【主な参加者】
コロンビア大統領・財務大臣・環境大臣、IDB総裁、IFAD総裁、世銀副総裁等の首脳・機関長が登壇し、約1,500名が参加しました。
【背景・目的】
開発銀行サミットは、約522の開発銀行が一同に会し、気候変動達成やSDGs達成に向けた開発銀行の役割を議論することを目的としています。第1回開発銀行サミットは、2020年にAFD総裁が国際開発金融クラブ（IDFC）議長として主導し、開催しました。今回は初のラテンアメリカ・カリブ地域での開催でした。
全体テーマ「次世代の開発金融のための新たなアライアンス（Building new alliances for next generation of development financing）」のもと、SDGs、気候目標、生物多様性枠組の達成の加速化に向けた開発銀行の役割や相互の連携、民間資金動員等を幅広く議論するため、3日間にわたり様々なセッションが開催されました。
JICAからは、武藤めぐみ上級審議役がラウンドテーブル「持続可能なインフラへの民間資本動員に向けた開発銀行の役割（Driving Global Change: The Role of PDBs to Mobilize Private Capital for Sustainable Infrastructure）」に、ブラジル事務所青木一誠次長がサイドイベント「アマゾン熱帯雨林の保全：開発銀行のグリーン連合（Preserving the Amazon: The Green Coalition of Development Banks）」にパネリストとして登壇しました。
【ラウンドテーブルの概要】
膨大な世界のインフラ需要に応えるためには、公的資金のみならず、民間の金融機関や機関投資家などの民間資本の協力が欠かせません。公的資金を呼び水として、民間資本の動員を促すための開発銀行の貢献のあり方について、世界銀行やIDB、EIBなどの登壇者と議論しました。
武藤上級審議役からは、ジャカルタ都市高速鉄道（MRT）やパナマメトロ3号線の事例に触れつつ、開発途上国の交通インフラ事業を当初から民間のみで進めることは難しく、JICAは全体の設計図となるマスタープランづくりを支え相手国政府の財政状況を踏まえながら、社会変革の中核となるようなインフラを政府向けファイナンスで支援することでまず現地の需要を喚起し、それにより後続の事業や官民連携事業（PPP）も成り立つよう企図していることを紹介しました。また、ADBの運用する信託基金「アジアインフラパートナーシップ信託基金（LEAP）」への出資を通じて、民間資金の動員に取り組んでいることを紹介しました。
【サイドイベントの概要】
アマゾン熱帯雨林の破壊が進行しており、国際機関、アマゾンに関わる政府、政府機関、民間企業、市民団体など多様なステークホルダーが喫緊に保全に取り組むことが求められています。現地住民の生活とアマゾンの持続性の確保に向けた開発銀行の取組について、IDBやラテンアメリカ・カリブ地域の開発銀行などの登壇者と議論しました。
アマゾン保全の取組には様々な資金ソースと協調アクションが必要であることから、IDB、ブラジル国立経済社会開発銀行（BNDES）をはじめとする20の開発銀行が「グリーン連合（Green Coalition）」を立ち上げたことを紹介しました。不法行為、劣悪なインフラ改善、アマゾン域内の都市住民向けマイクロファイナンスやカーボンクレジットの拡充などに取り組むため、開発銀行が連携してファイナンスと技術支援を組み合わせながら、解決策を提供していくとしました。
青木次長からは、JICAはブラジルにてレーダー衛星技術とAIを活用した違法森林伐採サイトの予測による取締り効率化支援や、持続的なアグロフォレストリー活動を支援していることを紹介し、今後の連携について広く呼びかけました。
FiCSオープニングセッションの様子
ラウンドテーブルで発言する武藤上級審議役
サイドイベントで発言する青木ブラジル事務所次長
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