2023年10月16~20日:第25回UN Tourism(国連世界観光機関)年次会合

掲載日:2023.11.08

イベント |

概要

会議名:第25回UN Tourism(国連世界観光機関)年次会合
開催日: 2023年10月16~20日
主催: UN Tourism(国連世界観光機関)
場所:ウズベキスタン、サマルカンド

主な参加者

年次会合には、UN Tourismに加盟国する159カ国の観光省庁代表者をはじめとして、UN Tourism賛助会員、民間セクター関係者、国際機関等が参加しました。
JICAからは、井本佐智子理事、佐藤知美ジュニア専門員(経済開発部)が参加しました。

背景・目的

国連世界観光機関(The World Tourism Organization)は、観光の振興及び発展を目的とする国連の専門機関です。JICAは、観光を通じて持続可能な開発を更に推進するため、2017年にUN Tourismと協力協定を締結して以降、発展途上国のための観光開発に係る様々な活動を連携して実施しています。

UN Tourismとの協働の一環として、2023年7月に共同出版したTIPs(Achieving the Sustainable Development Goals Through Tourism – Toolkit of Indicators for Projects)について、年次会合に参加した観光開発関係者に紹介するとともに、JICAが実施する今後の観光開発について要人等との協議を実施しました。

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井本理事とUrosevic上級部長

内容

UN Tourismとの連携結果の一つとして、プロジェクト研究「SDGsの達成に資する観光開発支援のあり方に係る調査」を実施した結果、観光開発はすべてのSDGs達成に向けて十分に貢献することが認められ、かつ分野横断的な効果をもたらすことが分かりました。

一方で、観光がそれぞれのSDGsにもたらすインパクト(貢献度)を客観的に測定することが難しいことも確認されました。そのため、2020年から「SDGsの達成に資する観光開発支援に係る情報収集・確認調査」を通じて、観光関連のプロジェクトやビジネス、事業がSDGsにどのような貢献をもたらすのか客観的に測定・評価出来るようにするための指標ツールキット「Achieving the Sustainable Development Goals through Tourism – Toolkit of Indicators for Projects (通称TIPs)」を2023年7月に開発しました。

総会及びサイドイベントでは、UN Tourism Zurab Pololikashvili事務局長、Zoritsa Urosevic上級部長等からTIPsが加盟国各国観光関係者に紹介され、観光事業の持続可能性とSDGsへの貢献度を評価することができる指標集が初めて開発されたこと、環境問題等に関わらず、幅広い課題を観光に連結することが出来るツールキットである点について、国際機関、民間事業者、各国観光省等幅広い観光セクター関係者から評価を受けました。

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年次総会で UN Tourism 事務局長から TIPsの完成について説明

また、UN Tourismとアジア開発銀行(ADB)が実施する観光分野における技術協力の集大成として実施されたサイドイベント「中央アジア観光ワークショップ」が開催され、JICA経済開発部民間セクター開発グループ佐藤知美ジュニア専門員が登壇し、JICA の観光分野における協力方針や、中央アジアでの観光分野の協力実績及び TIPs の概要について説明しました。

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中央アジア観光ワークショップでの登壇