北岡特別顧問がラオスで「JICAチェア特別講義:近代日本の成立とラオスへの貢献」を実施

掲載日:2023.12.08

イベント |

概要

(1)ラオス国立大学におけるJICAチェア特別講義

日時:11月13日(月)14:00~16:30
場所:ラオス国立大学
講師:北岡伸一特別顧問
参加者:経済経営学部、文学部(英語学科・日本語学科)、工学部、社会科学学部、法政治科学学部、ラオス・日本センターの学生及び教職員他約300名

(2)国家政治行政学院におけるJICAチェア特別講義

日時:11月14日(火)9:20~11:40
場所:国家政治行政学院
講師:北岡伸一特別顧問
参加者:小林賢一駐ラオス人民民主共和国日本国特命全権大使、同院副学長・教職員及び同院で研修中の中央省庁職員他約450名

背景・目的

北岡特別顧問がラオスを訪問する機会を活用し、ラオス国立大学及び国家政治行政学院においてJICAチェアを実施しました。
ラオス国立大学では「近代日本の成立」の講義テーマがカリキュラム内容とリンクする学部や、ラオスのビジネス人材育成と現地経営人材・日本企業間のネットワーク構築を支援しているラオス・日本センターの学生及び教職員を対象に講義が行われました。
国家政治行政学院は1995年に設立された党中央政治局が管轄する幹部候補生の研修施設であり、中央省庁の職員が昇進するためには本施設にて研修を受けることが必要となっています。将来の幹部候補生に対して近代日本の成立は有益なテーマであることに加え、ラオスにおけるJICAチェアの認知度向上や将来のラオスを担う人材日本の発展経験への関心を高めることを目的に講義が実施されました。

特別講義の概要

日本の近代化は1868年の大政奉還から1890年の第一回の議会が開かれるまでの22年間で急速に進んだことを冒頭で触れ、近代化の素地がどのようにできていたかを理解するために重要な江戸時代について、講師である北岡特別顧問より詳細に解説がなされました。特に、江戸時代で特徴的である士農工商制度や将軍、幕府、鎖国等の解説から1868年の明治維新につなげ、維新を率いたリーダーや江戸時代の象徴であった武士制度の廃止、自由党や立憲改進党の結成から憲法の制定、1890年の国会の開設など、近代化における重要な出来事が解説されました。
近代日本の成立の講義後、日本のラオスへの貢献及び関係性について解説がなされ、JICAのミッションであるLeading the World with Trustを引用し、これからも信頼を基にラオスとの友好関係を継続したい旨が述べられ講義を終了しました。

質疑応答の概要

ラオス国立大学

江戸時代で農家が商人よりも位が高かった理由、日本が敗戦から立ち直り世界有数の経済大国に成長できた理由、江戸時代に識字率が高かった理由、ラオスと日本が有効な関係を保つことの日本のメリット、日米貿易摩擦における日本の戦略、出生率の低さや高齢化社会により就業者数が減っていくという日本の課題、ラオスの現在の経済不況から立ち直るためのアドバイスを北岡特別顧問に求めるなど、多くの教員や学生から手が上がり幅広い内容の質疑応答と意見交換が活発に行われました。

国家政治行政学院

現在の日本では身分や収入による階級があるのかどうか、日本の課題とその対応方法といった質問に加えて、ラオスにおけるJICAの国際協力のアプローチ方法、中央から地方に政策内容やその実施を波及させるために意識する必要があるポイントと言った質問や助言を求める内容を含む幅広い意見交換が、同学院の教職員及び同学院で研修中の将来のラオスを担う省庁職員、学生たちと北岡特別顧問の間で行われました。

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国家政治行政学院で講義後の集合写真

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国家政治行政学院で約450名が参加した会場の様子

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国家政治行政学院での北岡特別顧問による講義の様子

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ラオス国立大学で講義後に質問する参加者

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ラオス国立大学で約300名が参加した会場の様子