第 5 回タンザニア女子陸上競技大会「レディース・ファースト」

掲載日:2023.12.26

イベント |

概要

第 5 回タンザニア女子陸上競技大会「レディース・ファースト」

開催日

2023 年 11 月 24 日(金)~26 日(日)

主催

タンザニア国家スポーツ評議会(National Sports Council of Tanzania)及びJICAタンザニア事務所

場所

タンザニア国ダルエスサラーム市(ベンジャミン・ムカパ国立競技場及びウフル競技場)

主な参加者

文化・芸術・スポーツ省ドゥンバロ大臣、三澤澤駐タンザニア日本大使及びJICA戸川理事長特別補佐、内谷山形県長井市長、大阪大学人間科学研究科岡田教授、元マラソンオリンピック選手のジュマ・イカンガー氏(JICAタンザニア事務所広報大使)

背景・目的

「レディース・ファースト」は、女性や女子への多様な機会提供を通じ、ジェンダー平等、女性のエンパワメントとスポーツ振興に向けタンザニアで実施している女子陸上競技会です。元マラソンオリンピック選手でJICAタンザニア事務所広報大使であるジュマ・イカンガー氏の、「女子選手が少ないタンザニアにも原石が眠っているはず」との「思い」に始まった競技会です。「女子選手は、練習する機会も競技会に出る機会も、男子選手に比べて極端に少ない」状況の改善とともに、「ジェンダー平等」、「女性のエンパワメント」、「スポーツ振興・体育教育の普及」等の促進に向け、JICAと国家スポーツ評議会(NSCT)との共催で2017年から実施しています。

内容

今回第5回となるレディース・ファーストは、2023年11月24日(金)のサイドイベントを皮切りに、11月25日(土)・26日(日)の両日、タンザニア国内30州から約160名の選手が参加し、ダルエスサラーム市内小学生等の延べ1,500人以上の観客が見守る中、実施されました。大会では、9種目(100m走、200m走、400m走、800m走、1,500m走、5,000m走、10,000m走、100 m×4 リレー、槍投げ)の競技が行われました。
2017年と2018年のレディース・ファーストに参加したマグダレナ選手とジャクリン選手は、パリ五輪のタンザニア代表選手に選ばれるなど、この大会から国際的な競技者が育っています。
また、本大会では、陸上競技と並行して、女性のエンパワメントのためにこれまでで最も多い7 つのサイドイベントを実施し、多くの方々が参加しました。
特に、大会前日に行われた女性起業家を対象としたビジネスコンペティション (NINJA [1] Mwanamke(NINJA Womenという意味))には、46社が応募し、予備審査を勝ち抜いた 4 社の女性起業家が、本大会参加選手の前で、「オーガニック・ヘアケア製品の製造」、「若年層・女性向け財務管理アプリの開発」等のビジネスプランを発表しました。女子選手たちにとっては、将来につながる大きな刺激となりました。
その他にも、女性のエンパワメントや健康増進に向け、HIV予防啓発キャンペーン及び手作り布ナプキン・ワークショップ、ヘルスチェックアップ、ジョギングイベントやファンリレー等を行いました。
参加者からは次のような言葉が寄せられています。
「「レディース・ファースト」を通じて、自分の能力を示す機会を得ることができてとてもうれしい」(参加選手)
「女性も男性と同じようにスポーツに参加できるということを、見て学ぶことができた」(競技に参加した中学生)

また、2017 年に東京オリンピックでタンザニアのホストタウンとなってから、様々な形でタンザニアとの交流を続けている山形県長井市から内谷長井市長等3 名が参加するなど、今回のレディース・ファーストも日本の自治体、民間企業(日本企業8社、タンザニア企業3社)や国際機関等、多くの関係者との連携・支援のもと開催されました。
今後も、さらに進化したレディース・ファーストを通じ、女子トップ選手の育成とともに、
女性のエンパワメントへの理解の促進、スポーツを通じたエンパワメントの機会の増加等、「スポーツを通じた開発」を促進していきます。

[1] NINJAとは、途上国の国づくりを支えるため、ビジネスとして社会課題の解決を図り、質の高い雇用創出のきっかけとなる起業家の育成に向けて、JICAが2021年に立ち上げた起業家支援プラットフォーム

ビジネスコンペティションで発表 する女性起業家

ビジネスコンペティションで発表する女性起業家

HIV予防啓発キャンペーン

HIV予防啓発キャンペーン

競技の様子(槍投げ)

競技の様子(槍投げ)

競技の様子(100 m×4 リレー決勝)

競技の様子(100 m×4 リレー決勝)

メダル授与

メダル授与