【終了】国際共同研究成果発表セミナー: 日本の援助の特質は何か? 国際比較から見た日本の援助規範 - フクダ-パー教授を迎えて

掲載日:2017.01.17

イベント |

イベント内容

新興国による援助活動の活発化に伴い、開発援助は大競争時代に入ったと言われています。それは単に「量」を競うだけのものではなく、援助のあるべき姿に関する理念や判断基準(援助規範)を巡るせめぎ合いが活発化していることも意味しています。すなわち、長らくOECDの開発援助委員会(DAC)に加盟する西側諸国が主導してきた援助規範が、それとは異なる規範を掲げる新興国からの挑戦を受けるようになっているのです。そうしたなか、DAC規範とも南南協力規範とも異なる独自の援助規範を掲げてきた日本は、今後どのような援助規範を掲げ、国際社会に発信していくべきなのでしょうか。

こうした問題意識を踏まえ、JICA研究所は、そもそも日本の援助理念の特徴は何か、それはどのように形成され変化してきたのかという問いをテーマとし、その検討成果を国際的に発信することを目的として、フクダ-パー・サキコ(福田パー咲子)JICA研究所特別招聘研究員(米ニュースクール教授)との共同研究を実施しました。本研究は、文化人類学者のマルセル・モースの「贈与論」を理論枠組みに援用し、援助を慈善と捉えるDAC規範が援助国と被援助国の階層的な関係を固定する効果を持ちうるのに対して、援助を協力と捉える日本の援助規範はそうした非対称的な関係を緩和する効果があることを指摘しています。その成果はJICA研究所ワーキングペーパー No.130 「Normative Framing of Development Cooperation: Japanese Bilateral Aid between the DAC and Southern Donors(二国間援助の規範的枠組み:DACドナーと南南協力ドナーの間に立つ日本援助)」として発表されています。

つきましては、同論文の発表イベントを1月17日に東京で開催します。本セミナーを、日本の重要なソフトパワーである独自の援助規範の過去・現在・未来についての活発な議論の場としたく、皆さま方のご参加をお待ちしております。

プログラム

16:00-16:05 開会あいさつ 
北野尚宏JICA研究所所長(予定)

16:05-16:50 論文の紹介
フクダ-パー・サキコJICA研究所特別招聘研究員(米ニュースクール教授)、志賀裕朗JICA研究所主任研究員

16:50-17:15 コメント 
下村恭民法政大学名誉教授

17:15-17:55 質疑応答

17:55-18:00 閉会あいさつ 
萱島信子JICA研究所副所長(予定)

※上記プログラム案につきましては、若干の変更の可能性があります。

登壇者

フクダ-パー・サキコJICA研究所特別招聘研究員(米ニュースクール教授)
下村恭民法政大学名誉教授
志賀裕朗JICA研究所主任研究員

問い合わせ

JICA研究所(担当:増井)
電話:03-3269-2357 メール:ditas-rsunit@jica.go.jp

申し込み方法

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