公開シンポジウム「ASEAN地域統合と人間の安全保障:APECにおける協力への示唆」

掲載日:2010.11.01

イベント |

イベント内容

ASEANは、2003年10月のバリ首脳会議で「第二ASEAN協和宣言」を採択し、分野ごとに機能的地域協力を推進して、安全保障共同体、経済共同体、社会・文化共同体の構築を目指しています。こうした地域統合の推進にあたっては、一般には通貨金融、貿易、投資などの経済分野における協力が重要課題と見られてきました。しかし、経済統合が進展し、人、モノ、カネ、情報の移動・流通における障壁が少なくなってきたことに伴い、麻薬取引や人身売買、海賊、違法伐採、煙害、食の安全、国際河川の水資源の利用、感染症など、国境を超えた多くの脅威が高まってきています。

これに対し、どのような地域協力体制を構築し、地域のガバナンス能力を高めていくのかは地域にとって大きな課題です。こうした脅威は人間の安全保障に対する脅威とも捉えることができます。日本は2005年に「日ASEAN戦略パートナーシップの深化・拡充」との共同声明をASEAN首脳とともに発表し、ASEAN共同体形成に向けた努力に対する支援とともに、地域的国際的課題への取組みの支援も表明していますが、様々な脅威に対していかなる支援を行い、影響を受ける人々の保護とエンパワーメントに貢献していくのかについては、国境を超える脅威の性格や域内各国に住む人々の置かれた状況によって大きく異なります。

JICA研究所では、ASEAN戦略研究所グループと共同で、「ASEAN統合における人間の安全保障の主流化」と題した研究プロジェクトを行ってきました。この共同研究では、地域統合や国境を超える課題を人間の安全保障の観点から具体的課題に即して分析・検証し、これを通じて地域統合の政策的課題を抽出することを目的としています。

今年は11月に横浜でAPEC首脳会議が開催されますが、その主要な論点のひとつとして、「人間の安全保障」に向けた協力が挙げられています。本研究プロジェクトで検討を進めてきたASEAN統合における人間の安全保障への対応が、米、中、豪といった環太平洋諸国の関与も得てどのように展開されようとしているのか、日頃ASEAN加盟国側からこうした国々の動きを見てきた研究者の参加を得て、議論したいと考えています。

■プログラム(予定)

13:30-13:40 開会挨拶
加藤宏 (JICA研究所副所長)

13:40-15:00 基調報告「人間の安全保障とAPEC」
山影進 (東京大学教授) 
Dato’ Dr. Mahani Zainal Abidin (マレーシア戦略国際問題研究所 所長)

15:00-15:15 休憩

15:15-17:00 パネル討論「東南アジアにおける人間の安全保障主流化の可能性」
司会: Ms. Clara Joewono (インドネシア戦略国際問題センター 副センター長)

発表者①: "Problematizing Human Security"
寺田貴 (早稲田大学教授)

発表者②: "Human Security in Southeast Asia"
Dr. Rizal Sukma (インドネシア戦略国際問題センター センター長)

発表者③: "Maritime Security in Southeast Asia"
本名純 (JICA研究所客員研究員)

発表者④: "The Case of Pandemics and Health Security"
Dr. Mely Caballero-Anthony (シンガポール南洋工科大学准教授)

パネリスト: Dr. Herman J. Kraft (フィリピン戦略国際問題研究所 所長)

パネリスト: 大岩隆明 (リー・クワン・ユー公共政策大学院シニアフェロー)

17:00-17:15 閉会挨拶
Dr. Carolina G. Hernandez (フィリピン戦略国際問題研究所 会長)

申込み方法

シンポジウムへの参加をご希望される方は、下記の「参加申し込み」ボタンから、参加申し込みフォームに必要事項をご記入の上、お申し込みください。
お申込人数が定員に達し次第、締め切りとさせていただきますので、予めご了承くださいますようお願い致します。

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問い合わせ先

公開シンポジウム「ASEAN地域統合と人間の安全保障:APECにおける協力への示唆」事務局(担当:室田、張)
E-mail:ditas-rsunit@jica.go.jp
TEL:03-3269-2959 FAX:03-3269-2054
[受付対応時間]
月~金曜日:午前9時30分~午後5時45分 休業:土日祝日

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