ASEANにおける「保護する責任(RtoP)」に関する国際有識者研究会の開催について

掲載日:2011.01.26

イベント |

イベント内容

現在、当研究所では、ASEAN戦略研究所グループ(ISIS)と共同で「ASEAN統合における人間の安全保障の主流化」と題した研究プロジェクトを実施しています。これまでに東京、ジャカルタ、マニラでシンポジウムを開催してきましたが、そこで毎回必ず争点となるのが、人間の安全保障のうち「恐怖からの自由」の部分で、これは研究関係者が人権保護の地域メカニズムを語る際にフロアから指摘を受ける顕著な質問のひとつとなっています。内政不干渉、全員一致という意思決定の原則を持つASEANの文脈で、「恐怖からの自由」への対応をどう進めていけるのかは大きな課題です。このため、本研究プロジェクトの研究協力者である南洋工科大学非伝統的安全保障研究センター(RSIS)のCaballero-Anthony助教授等の提唱により、小規模な研究会が2009年より立ち上げられました。 

* ASEANにおける人間の安全保障上の「恐怖」としては、権威主義体制下における人権の抑圧、テロリズム、麻薬取引や人身売買といった越境犯罪、海賊、森林違法伐採と煙害、新興感染症、自然災害などが考えられます。 

この研究会では、人間の安全保障委員会の『Human Security Now』に基づき「恐怖からの自由」を考えると同時に、2005年に国連サミット成果文書で言及された「保護する責任(Responsibility to Protect)」の行方に注目し、このRtoPがアジアの文脈でどう捉えるべきなのかを議論してきました。RtoPは約10年前、カナダのHuman Security Networkが概念を提示し、多くの反発を受けてきた歴史があります。それらの反発を反映して、現在国連が正式に推進しようとしているRtoPは以前と比べて大きく改編が行われています。 

本研究会では、ASEANのトラック1(政府間協議のチャンネル)に先駆け、ASEAN政治・安全保障共同体においてRtoPをどのように実施していくのか、ある程度の議論の方向性を、人間の安全保障の主流化とともに示したいと考えています。 

今回は、各メンバーが研究を進めてきた成果について報告するとともに、日本の研究者や援助関係者、国際機関関係者などとの意見交換を行いたいと考えています。既に共催者よりご案内がなされている国内有識者もいらっしゃるため、一般参加者の募集は少なくなりますが、人間の安全保障における最新の議論を聞く貴重な機会でもありますので、奮ってご参加下さい。

会議名: 
Dissemination Meeting/Policy Roundtable on the Responsibility to Protect (RtoP)

申込み方法

シンポジウムへの参加をご希望される方は、下記の「参加申し込み」ボタンから、参加申し込みフォームに必要事項をご記入の上、お申し込みくださいお申込人数が定員に達し次第、締め切りとさせていただきますので、予めご了承くださいますようお願い致します。

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問い合わせ先

研究所企画課 山田
電話番号:03-3269-9073 E-Mail:yamada.koji@jica.go.jp

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