「Disability, Education and Employment in Developing Countries: From Charity to Investment」出版記念セミナー 

掲載日:2015.05.19

イベント |

イベント内容

JICA研究所では、ラミチャネ・カマル筑波大学教育開発国際協力研究センター(CRICED)准教授(元JICA研究所研究員)の執筆した書籍『Disability, Education and Employment in Developing Countries: From Charity to Investment(途上国における障害と教育、雇用:チャリティーから投資へ)』がケンブリッジ大学出版局より発刊されたことを記念しセミナーを開催いたします。
セミナーでは、著者のラミチャネ氏より、書籍の内容について紹介を行ったのち、2名の有識者から障害分野での実証研究の意義や、今後の支援への提言など様々な角度からコメントを行い、その後、参加者を含めた意見交換を行う予定です。

プログラム(使用言語は日本語)

15:00    受付開始
15:30-15:35 開会の挨拶 畝 伊智朗(JICA研究所所長)
15:35-16:05 『基調講演』  
Lamichhane, Kamal (筑波大学教育開発国際協力研究センター(CRICED) 准教授/東京大学先端科学技術研究センター 協力研究員)
16:05-16:15 『障害分野におけるエビデンスの意義』 
澤田 康幸(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授/JICA研究所客員研究員)
16:15-16:25 『JICAの障害分野での取組と障害者を含むインクルーシブな開発への実証研究の貢献』
久野 研二(JICA 国際協力専門員)
16:25-17:00 『質疑応答』

※参加にあたり手話通訳を希望される方は、その旨を申し込み時に記載願います。

書籍の内容紹介:
ミレニアム開発目標(MDGs)の最終目標年2015年を目前に控え、2015年以降の新たな開発目標を設定するための議論が最終段階を迎えています。その議論の中では、世界人口の15%を占める障害者を含めた、包摂的(インクルーシブ)な目標設定の重要性が指摘されています。障害者の80%は途上国に居住しているとされる一方、そのデータの蓄積や実証研究はこれまで、十分行われていません。本書は、ネパール、インド、バングラデシュ、カンボジア、フィリピンといった低・中所得国から得られた実証データに基づいて、途上国における障害と教育、雇用の関係性について体系的に分析した結果をまとめたものです。分析は、障害学、教育学、経済学、社会科学、哲学、公共政策や開発学といった多くの学問領域にわたり総合的になされ、他に類をみない成果を上げています。

分析の結果、障害者の教育や市場参加における障壁要因は、差別、学歴の低さ、職業訓練機会の不足、賃金の格差、学校のサポート不足、貧困などにあることが確認されました。一方、これらの課題を克服し、障害者の教育や雇用などの人的資本に投資し、障害者がホワイトカラーの仕事につきやすくすることは、障害者の社会的包摂や経済的なエンパワーメントにおいて重要であり、ひいては、その家族、社会全体の裨益につながることが示されました。また、健常者の教育への投資の収益率と比べて、障害者の教育収益率は2~3倍も高いことが明らかになりました。

筆者は、各国政府や国際機関は、従来ともすると慈善として捉えられてきた障害者への教育機会の確保についての認識を改め、その実現につとめるべきであると述べています。

申込み方法

5月15日(金)までに、下のお申し込みボタンよりお申し込みください。

問い合わせ先

JICA研究所(担当:竹内、堀井)
Email:ditas-rsunit@jica.go.jp TEL:03-3269-2959