プロジェクト・ヒストリー刊行セミナー『いのちの水をバングラデシュに 砒素がくれた贈りもの』-水と私たち-

掲載日:2015.07.15

イベント |

イベント内容

プロジェクト・ヒストリー刊行セミナー

『いのちの水をバングラデシュに 砒素がくれた贈りもの』
-水と私たち-

JICA研究所では、JICAの事業を振り返り、その軌跡と成果を分析して書籍としてまとめた「プロジェクト・ヒストリー」シリーズを刊行しています。本シリーズの第12弾として、『いのちの水をバングラデシュに 砒素がくれた贈りもの』を刊行しました。本書の出版記念セミナーを特定非営利活動法人アジア砒素ネットワークとJICA研究所・地球ひろばの主催、なんとかしなきゃ!プロジェクトの協力で開催いたします。

本書は、宮崎県を拠点に活動するNGOアジア砒素ネットワークが、バングラデシュの飲み水の砒素(ヒ素)汚染の問題に20年以上にわたり取り組んできた軌跡を描いたものです。飲料水に砒素が溶け出すメカニズムが明らかではなく、これを完全に取り除いた飲料水を提供することが、技術的にも、文化の面でも容易ではない砒素。本書はアジア砒素ネットワークが多くの人びとと協働し、JICAとも連携して進めてきた活動の記録です。

本セミナーでは、3人の講師のお話を通じて、私たちと水の未来について考えます。まず、書籍の著者川原一之さんに、宮崎を起点として、アジア諸国に取り組みが広がっていったアジア砒素ネットワークによる砒素汚染対策への取り組みについてお話頂きます。続いて、「水の国」バングラデシュの農村にて、エコサン(エコロジカル・サニテーション)・トイレの普及を通じて、衛生改善、し尿資源の利用、環境インパクトの軽減に取り組んでいる日本下水文化研究会(JADE)の高橋邦夫さんに、バングラデシュの水と暮らし、その未来についてお話頂きます。そして、最後に、バングラデシュや日本で雨水の活用に取り組む雨水市民の会 笹川みちるさんに、日本にいる私たちができることのヒントについて、お話して頂きます。

(サムネイル写真:谷本美加/JICA)

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講師

川原 一之氏(本書著者、アジア砒素ネットワーク 理事)
【略歴】1971年、朝日新聞宮崎支局の記者のとき、高千穂町の旧土呂久鉱山周辺で起きた砒素公害事件を取材。新聞社を辞めて砒素中毒患者を支援する一方、記録作家として土呂久の歴史を著述した。土呂久訴訟の最高裁和解後、94年にアジア砒素ネットワークを結成、アジアの砒素汚染地の調査・対策へ。2000年から2年間、JICAの砒素汚染対策アドバイザーとしてバングラデシュ政府に派遣され、03年から現在まで3つのJICAプロジェクトの総括をつとめた。

高橋 邦夫氏(日本下水文化研究会 運営委員)
【略歴】総合水コンサルタントで修行を積み、2004年からバングラデシュにて農村地域におけるエコサン・トイレの普及活動に従事。現在に至るまで3つのJICAプロジェクトのプロジェクトマネージャーを継続中。川原一之氏とはバングラデシュで邂逅し、その著作や記録文学の紹介を通じて交流。

笹川 みちる氏(雨水市民の会 理事)
【略歴】英国で開発学を学んだ後、フリーランスの企画プランナーとして、参加型イベント・ワークショップに携わる。2008年より、東京都墨田区にてすみだ環境ふれあい館(雨水資料室)運営業務に参加、雨水活用に関する教育普及活動に取り組んでいる。JICAプロジェクトの一員としてバングラデシュでの安全な飲み水普及のための雨水タンクソーシャルビジネスプロジェクトに参画。

上記書籍の紹介ページ

申込み方法

問い合わせ先

JICA地球ひろば 地球案内デスク
電話番号:0120-767278 Eメール:chikyuhiroba@jica.go.jp