JICA研究所公開セミナー"Climate Change Mitigation and International Development" — 気候変動緩和策と国際開発 —

掲載日:2012.02.02

イベント |

イベント内容

JICA研究所では、気候変動の緩和策への国際的な取り組みや、アジア地域での緩和策事例をまとめた書籍、「Climate Change Mitigation and International Development」(Taylor and Francis社)を、2012年3月に出版する予定です。 今般、書籍の出版報告を兼ねて、気候変動緩和策に対する国際協力の取り組と、今後の展望について焦点をあてたセミナーを開催します。

気候変動に対する取り組みには、温室効果ガスそのものを削減して被害を緩和させる「緩和策」と、気候変動による影響を軽減させるために私たちの社会経済システムを適応させる「適応策」があります。こうした取り組みが「待ったなし」との認識が広まり、世界各国で取り組みが開始されています。しかしながら、2010年には年間の温室効果ガスが過去最大の排出量を記録しており、COP16のカンクン会議で合意された気温上昇を2℃以内に抑えるという目標を達成することは、非常に難しくなっている状況です。

今回の書籍で取り上げた気候変動による「緩和策」は、アジア地域の開発途上国で重要な意味を持っています。アジアは人口が著しく増加しており、2050年には、世界人口の半分の50億人が同地域に住むことが予想されています。なかでも、経済発展に伴ってエネルギーの使用量が急速に増加している開発途上国の緩和策についても注目が集まっています。このような状況から、アジアや開発途上国が積極的に参加できる国際的な枠組みの整備を早急に進めることや、緩和策に取り組む開発途上国に対する先進国の支援のあり方などについて、国際的な交渉が進められています。

本セミナーでは、書籍出版の報告とともに気候変動緩和策に関する国際的な取り組みやアジア地域での事例を紹介しつつ、課題や問題点を取り上げながら、今後の国際開発への在り方を探ることを目的としています。

[プログラム] *各発表題目・順番については調整中のため、変更の可能性があります。     
15:00-15:10 開会の辞: 細野 昭雄(JICA研究所 所長)

15:10-15:25 気候変動緩和策と国際開発:
 "Climate Change Mitigation and International Development"の目的と概要
 藤倉  良(JICA研究所 客員研究員 / 法政大学 教授)

セッション1 緩和策の国際潮流(各報告の後に質疑応答)

15:25-15:45 気候変動に関する国際的取り組と途上国の緩和行動 
 亀山 康子(国立環境研究所)

15:45-16:05 緩和策によるREDD+への取り組と課題
 松本 光朗 (森林総合研究所)

16:05-16:25 低炭素型発展に向けた国際都市間連携の可能性
 中村 秀規(地球環境戦略研究機関)

— 休 憩(10分) —

セッション2 途上国における緩和策の事例と国際協力(各報告の後に質疑応答)

16:35-16:55 途上国における緩和策推進のためのJICAの取り組み
 森實 順子(JICA地球環境部気候変動対策室)

16:55-17:15 気候変動対策への開発政策借款の有効性:インドネシアおよびべトナムでの事例
 桂井 太郎 (国際開発アソシエイツ)

17:15-17:35 円借款事業における温室効果ガス削減効果:発電部門の事例
 豊田 知世(JICA研究所)

17:35-17:45 閉会の辞:加藤 宏(JICA研究所 副所長)

申込み方法

セミナーへのご参加を希望される方は、以下「参加申込み」ボタンから参加申込みフォームに必要事項をご記入の上、お申込み下さい。(1月30日(月)受付締切) お申込み人数が定員に達し次第、締め切りとさせていただきますので予めご了承下さい。

問い合わせ先

JICA研究所 企画課(担当:会田・渡部)
E-Mail:ditas-rsunit@jica.go.jp
TEL:03-3269-2959 FAX:03-3269-2054