JICA研究所・神戸大学共催公開シンポジウム「アフリカにおける民族の多様性と経済的不安定」

今世紀に入り、平均5％を超える順調な成長を続けるアフリカ。この地域は欧州による長年の植民地支配を経て1960年代に独立を果たしたのち、内戦や飢餓、感染症に翻弄される苦難を経験してきました。アフリカを特徴づけるのはその多様性、54ヵ国の中には、複雑な民族構成を持つ国も多く見られます。

開発経済学では、民族構成が多様であることと経済成長との間には負の相関関係があることが指摘されてきました。アフリカの経済発展を安定させ長期にわたって確保するためには、経済の不安定化をもたらす諸要因について理解を深め、適切な対応を取ることが求められます。民族の多様性もそうした要因の1つと考えられますが、民族多様性と経済の不安定性との間をつなぐメカニズムや因果関係はこれまで明らかにされてきませんでした。

このため、JICA研究所では、神戸大学経済経営研究所とともに、この相関関係を説明するメカニズムの解明を検討してきました。日野博之教授（神戸大学、ケニア首相府経済アドバイザー）を代表に、経済学、政治学、文化人類学、歴史学などの多様な学問領域から多くの研究者の参加を得て、課題の究明に取り組んできた研究成果の第一弾"Ethnic Diversity and Economic Instability in Africa: Interdisciplinary Perspectives"（仮訳：アフリカにおける民族の多様性と経済の不安定性－学際的アプローチからの発見）[英語]が、このたびケンブリッジ大学出版より発刊されます。

これを期に、本書の内容と経済不安定化要因を除去・軽減するための政策・制度のあり方に関する研究会の検討結果を紹介するシンポジウムを、下記要領にて開催します。著名な研究者が集まる貴重な報告の場です。多くの方のご参加をお待ちしています。

【プログラム】予定

9:30 - 9:40　開会の辞（JICA研究所）

9:40 - 10:50
新刊書"Ethnic Diversity and Economic Instability in Africa: Interdisciplinary
Perspectives"（仮訳：アフリカにおける民族の多様性と経済の不安定性 —
学際的アプローチからの発見） [ケンブリッジ大学出版]ローンチ

プレゼンター：
　日野 博之　神戸大学教授／ケニア首相府経済アドバイザー（JICA専門家）
　ジョン・ロンズデール　ケンブリッジ大学教授
　グスタフ・ラニス　イェール大学教授
　フランシス・スチュワート　オックスフォード大学教授
コメンテーター：
　ラウフ・ムスタファ 　オックスフォード大学講師　　
　タンディカ・ムカンダウィレ　ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授
　ポール・ティヤンベ・ゼレザ　ロイヤル・マリーマウント大学教授
　市野 菜穂美　ハーバード大学准教授

　Q & A

10:50 - 11:00　休　憩

11:05 - 12:20　パネル討論『アフリカにおける公正な成長の実現に向けて — 政策・制度改革に向けた提言』

プレゼンター：
　高橋 基樹　神戸大学教授
パネリスト：
　ベノ・ンドゥル　タンザニア銀行総裁
　アーネスト・アリエーティー　ガーナ大学教授
　ダニエル・ポズナー　マサチューセッツ工科大学教授
　ブルース・バーマン　クイーンズ大学教授

　 Q & A

12:20 - 12:30　閉会の辞
浜口 伸明　（神戸大学経済経営研究所 所長）

* 尚、会場はJICA研究所ではなく国際文化会館となっておりますのでご注意ください。

下記「参加申込み」ボタンから、申込みフォームに必要事項をご記入の上、お申込み下さい（7月22日(日)締切）。尚、定員に達し次第、締め切りとさせていただきますので、ご了承下さい。

JICA研究所　企画課（担当：笠原・渡部）
E-Mail：ditas-rsunit@jica.go.jp
TEL：03-3269-2959　FAX：03-3269-2054