No.19 Mapping JICA-supported Works on Japan’s Development Experience in Development Studies: Their Particularities and Potentials

  • #ディスカッション・ペーパー

日本の開発・近代化の経験は、開発プロセスの研究において特別な位置を占めている。本稿は、英国を拠点とする西欧における開発研究に照らし、日本の開発経験にかかる研究が、他国との関連性の薄い隔絶されたものではなく、開発研究の枠組みに位置づけられ、国際的意味合いを持つことを論じる。日本の開発経験・近代化にかかる研究のうち、本稿ではJICAの支援のもとで実施・作成された研究や留学生向け教材に焦点を当てる。JICAの支援のもとで実施・作成された研究や留学生向け教材では、様々な歴史・テーマに関し、長期的な構造変化のプロセスや、政策のレビューを通じた実践的知識の提示に重点が置かれている。また、JICAの支援のもとで実施・作成された研究や留学生向け教材は、国家や国造りを重視し、政策変化にかかる短期的スナップショットよりも、むしろ明治維新後の日本の近代化・開発の長期的プロセスに焦点を当てている。一元的な開発モデルの推進を避けつつ、「複数の近代(multiple modernities)」や「再帰的近代化(reflexive modernization)」の意義にふれながら、JICAの支援のもとで実施・作成された研究や留学生向け教材は、実務家の専門知識や開発政策の実施、経験的知識の重要性を強調している。

キーワード:開発経験、近代化、開発研究、日本

著者
ニコライ・ムラシキン丸山 隆央
発行年月
2024年3月
言語
英語
ページ
38
開発課題
  • #日本の開発協力