所長挨拶

JICA関西のホームページをご覧頂き、ありがとうございます。JICA関西は、関西2府4県(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)におけるJICA事業の総合窓口です。関西と海外各国との重層的な関係を深めるべく、自治体、民間企業、大学、NGO/NPO等の皆さまと連携して、国際協力事業を展開しています。

私は2022年7月に着任しました。関西には、兵庫県で生まれ育った縁と恩があり、関西地域と海外とを繋ぐ機会に恵まれたことを意気に感じています。

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JICA関西の歴史は、1967年設立の大阪国際研修センター(後の大阪国際センター)と1973年設立の兵庫インターナショナルセンター(後の兵庫国際センター)に遡ります。2012年4月に両センターが発展的に統合し、現在の「関西センター」となりました(注1)。1995年の阪神・淡路大震災後に、復興のシンボルの一つとして再開発された神戸市東部のHAT神戸(注2)を拠点にしています。

2024年は、日本政府が国際協力(ODA)を開始してから70周年となります。2025年は、(1) 戦後80年、(2) JICA海外協力隊開始から60年、(3) 阪神・淡路大震災から30年、(4) 第9回アフリカ開発会議(TICAD9)、(5) 日本国際博覧会(大阪・関西万博)などが重なります。こうした節目に向けて、更に有意義な歴史を紡ぐべく、これまでのJICA関西の歴史や経緯に関わって下さった方々への感謝を胸に、個々の取り組みの意義を深める所存です。

国際協力には実に多様な方法があり、関西地域にも沢山の「現場」があります。2022年秋あたりから、海外との人の往来が再び活発化し、知見・技術を共有する各種研修事業、民間連携事業、草の根技術協力事業などを通じ、開発途上国の政府やビジネス界の中堅リーダーなどを、関西に迎えています。関西は大学の集積地との強みもあり、2~3年に亘る大学院への留学生として迎え入れる中堅リーダーも多く、滞在中に、専攻分野だけでなく、関西・日本を好きになって頂く工夫も重ねています。

新しい動きとしては、介護人材の育成・受入促進や、日本在住の外国人に対して防災リーダーを育成することで、多文化共生を促す取り組みなども行っています。関西から開発途上国の現場に人を派遣する動きも再び活発化し、JICA海外協力隊や、現職の教員に海外の社会課題に向き合って頂く取り組みも強化し、関西に還元して頂いています。

こうした一連の取り組みには、知見の共有の他に、「縁つなぎ」との意義があります。JICAは、「信頼で世界をつなぐ」を組織のビジョンに掲げています。このビジョンに掲げる「信頼」は、地域や国が持続的に発展するために益々重要な要素です。個々の国際協力事業を通じ、信頼で関西と世界をつなげるため、これからも多様な国内外のパートナーの皆さまと共に力を合わせさせて下さい。

なお、JICA関西には、国際協力の展示コーナーや図書資料室、多様な国の料理を月替わりで楽しんで頂けるレストランも併設し、外部の方にもお気軽にご利用頂けます。神戸にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

2023年10月
JICA関西センター
所長 木村 出

(注1)連載中の「JICA関西センター物語」に、その経緯を詳述しています。
https://www.jica.go.jp/Resource/kansai/office/story/index.html
(注2)神戸市の東部新都心として開発された地区の愛称。「Happy Active Town」の略。摩耶山の南、ウォーターフロントに開けるこの地域が、ハッと変貌し、誰もが幸福で、活気あふれる街となるように願いを込めて、公募を経て命名された。

【ご参考】
●「一生ものの『縁つなぎ』を」
2023年6月 公益財団法人 太平洋人材交流センター “PREX Island”
https://www.prex-hrd.or.jp/prex_island/7151/

●「途上国支援、防災の強み生かして」
2023年1月18日 日経新聞 オンライン・紙面(夕刊)「関西のミカタ」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF011IW0R01C22A2000000/

●世界と関西をつなぐJICA事業(2府4県別の事業概観)
https://www.jica.go.jp/domestic/kansai/activities/connect/index.html