ウランバートル市大気汚染対策能力強化プロジェクト

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ウランバートル市中心部における夏と冬の違い(ガンダン寺周辺)

ウランバートル市では、市内に電力と温水を供給する3つの石炭火力発電所、約200ヵ所の中規模熱供給用小型ボイラ設備(Heat Only Boiler)、1,000ヵ所ともいわれる事業用小型ボイラ(CoalFired Water Heater)、その他約14万世帯と言われるゲル地区における家庭用暖房設備での石炭燃焼により特に浮遊粒子状物質(ParticulateMatter)による大気汚染が著しく、冬季の市民の健康に深刻な影響を与えています。

他方、モンゴルは石炭資源に非常に恵まれた国であるため、燃料エネルギー確保の点で石炭への依存度が非常に大きく、脱却を図るためには長期的な取組みを行う必要があります。また、近年急速に普及している自動車の燃料として、有鉛ガソリンが広く販売されていることから、排気ガスによる健康障害も懸念されています。

本プロジェクトでは、ウランバートル市大気質庁を中心に、その他様々な関係機関とも連携し、以下の活動を行うことによって、大気汚染対策に関わる人材育成と行政能力の強化に関する支援を行います。

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ボイラの煙道ガス測定の様子

  1. 発生源インベントリ構築をはじめとする大気汚染発生源の解析と大気環境評価能力の構築、
  2. 大規模・中規模のボイラを対象とした排ガス測定の継続的実施、
  3. 汚染源に対する行政の規制能力強化に向けた取組、
  4. 大中規模の大気発生源に対する対策の喚起、
  5. 合理的な大気汚染防止対策策定・実施に対する技術情報の活用とその一般への普及

(実施期間:2010年3月〜2012年12月)