グローバル教育コンクール(事業終了)

世界が抱える様々な問題について、それを自分たちの問題として考え、その解決のために自ら行動に移すことのできる人間を育成することを目的としたグローバル教育を実践する際に活用できる作品を募集しています。世界に触れて感じた貴重な体験・活動を基にした、皆様からの作品応募をお待ちしています。

道東からも、すばらしい作品が出品されています!

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越智 卓 教諭(平成20年度 JICA教師海外研修(ネパール)参加)

2010年度の「グローバル教育コンクール」では、帯広市立稲田小学校 越智 卓 教諭が出品した「どっちがエコ? ネパールと日本」という教材が最高賞の外務大臣賞に選ばれました。この作品は越智教諭がJICA教師海外研修でネパールに行った際の体験をもとに作成したものです。開発教育を取り入れたこの授業で、子どもたちはなにを感じ、学び取っているのか。越智教諭に、開発教育の授業を行ううえでのヒントを聞きました。

— 開発教育の授業をする時に気をつけていることは?

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稲田小には古はがき10枚でネパールに勉強セット1個寄付という掲示が!

どれだけ子どもたちが「身近に」感じてくれるか、ということを心がけています。「遠い異国の話」ととらえられてしまっては子どもたちの心に響かない。そのために、教師海外研修の時に知り合った青年海外協力隊員の吉岡さんと連携してネパールと日本の子どもたちの絵画交換交流を行ったり、JICA出前講座プログラムを利用して稲田小でお話をしてもらったりしました。そうした下地が他の授業を行う上で「世界と自分とのつながり」として身近に感じてもらえるきっかけになっていると思います。また、JICA研修員学校訪問プログラムも積極的に取り入れています。

— 授業をしたことで子どもたちの変化は?

外国に対する抵抗感がなくなり、自発的に国際交流イベントやチャリティーに参加する子も増えました。こういった授業を行うことで、「外国」に対する心のハードルが低くなったと思います。普段はなかなか見ることができない子供たちの「気づき」に、「やってよかった」と心から思いました。

— これから開発教育に取り組もうと考えている先生方にメッセージを。

積極的に外部の方とかかわりを持って、授業に「ゲストティーチャー」を取り入れること、これが大事だと思います。今の教師には、昔のように知識を教えることだけでなく、周りをコーディネートする力が求められています。先生方は自分たちでなんとかしようと思いがちで、私も以前はそうでした。でも教師海外研修に参加して、他の人の視点を取り入れるという考えが生まれました。自分で授業をするよりも、いろんな体験をされた人から直接聞く話は子どもの心に残るんですよね。JICAでも青年海外協力隊OBの出前講座や研修員学校訪問などのプログラムをやっているので、そういうプログラムをどんどん活用したらいいと思います。